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「目の見えない少女」~社員のこころを育てる

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 一昨年のマネージャー研修の中で”社員がお客様に喜んでもらうことを生き甲斐にする”経営の例の一つとして「BAGZY」という美容室を取材したビデオが紹介された。

 その中で、社員の「心を育てる」のために、毎月、人を感動させる文を読ませるシーンがあった。 そこで、20代の若者が涙しながら読み上げたもの(私もそれを見て涙しました)と同じものを、大手ホテルの支配人からいただいたので、その一部を紹介したい。


 「目の見えない少女」

 生まれながらに目が不自由だが、お琴の稽古をしながら、人生を明るく前向きに生きている少女がいた。

 この少女も、成長し、物心がつくにつれて思うようにならない様々なことに苛立ちを覚えはじめ

「どうして、私だけが目が見えないの!お母さんの責任よ!」

と母親を責め始めるようになった。 その度に、母は、どうしようもない切なさに、部屋の隅で声を押し殺して泣くのだった。

 14才になった、ある日のこと、少女はいつもと同じように母を責めた後、母が押し殺したような悲痛なすすり泣きの声を耳にした。少女は、その時、「ハッ」として、はじめて自分のしていることに気がついた。

「そうだ、どこの親が可愛い我が子を盲目に産むだろうか。お母さんは、私以上に苦しんでいるのだ」

そう思ったとき、少女の見えない目から、とめどもなく涙が流れ落ちた。そして気がついたのだ。

「どんなに親を責めたところで何も変らない。自分の宿命は、自分で積極的に背負っていくしかない」

そう考えると、胸のつかえがスーッととれ、光輝くような笑顔を見せるようになり、琴にも積極的に取り組むようになった。

 それから4年後、18歳になった少女は、琴をきわめテレビに出るまでに上達していた。

演奏後、その幸せそうな笑顔の彼女に、司会が「今、なにか夢はありますか?」と尋ねた。すると彼女は眼に涙をためたまま笑顔でこたえた。

「ええ、夢が一つあるの。おそらく叶えられない夢でしょうけど、、、」

「それは1日、半日、いや1時間でもいいから、はっきりものが見える目を貸してもらいたいの。」

「そして、お母さんに膝枕してもらって、そこから、じっとお母さんの顔を見たいの」

「また、目が見えなくなった後でも忘れないように、穴のあくほどお母さんの顔を見ていたい。」


 感動が人(社員)の心を育て、お客様に喜んでいただくことを生き甲斐にできる人間性を社員が持てれば、社員は幸せになり、結果として会社の業績にも大きく伸びていくことを確信させるマネージャー研修であった。

 日頃から実践していきたいものである。

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