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ビジネスとお父さん業のスキルを向上するIT活用術

「目の前の同僚のブログにコメントしたりメールする馬鹿なやつ」

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「吉田さん、聞いてくださいよ。 こいつね、隣の席の同僚にメールしたり、目の前の同僚のブログにコメントしたりするんですよ。 馬鹿でしょー。 顔上げて話せばいいだけなに。 最近の若者は面と向かって物が言えないんですよ。 コミュニケーションの基本も出来ていなくて企業のコミュニケーションを語るなんて、聞いてあきれるでしょ?」

 ある企業の事業企画(マーケティング部門?)の本部長の言葉である。 私より二つ年上の彼は昔、営業現場で活躍していて以前から口は悪いが人情味があり、特に営業部門の若手から信頼を得ている。 お酒も手伝って「馬鹿」を連発するのは悪い癖だ。(このブログ読んでるかもしれません。ネタにしてすみません)

<ネット派の主張>

若手が反撃する

「本部長は偉いからそれでいいんです。 ”おい、おまえ、ちょっと来い”とか、私たちが仕事に集中しているときでも平気で声をかけてくるけど、あれって、私たちの仕事の能率を落としているんですよ。 あれがなければ、どれぐらい効率があがるかROI出したいぐらいですよ。 呼ばれてるの気がつかないと怒るし、、、、、、、。その論理だとブログで皆に日報かかせているけど、これも、口頭でやるべきだって論理になりますよね?、、、そんなこと言っていると、吉田さんがセミナーで言ってた ”罪”の方の人ザイって言われちゃいますよ。 でしょ? 吉田さん」

 二人から「でしょ?」と言われても返答に困る。

若手の言い分は、

○自分の都合だけで相手の集中時間を邪魔しないために、メールで送るべきだ。

口頭でやると後から忘れてしまうので、ブログのコメントやメールで書いている。他の人にも参考になるはずだ。

○目の前いにいる場合は、ブログやメールに書いても口頭でも話す。

○急ぎのものは、電話をした後で、確認のメールを入れている。そのccを本部長が見ているからメールだけに見える。

クレームは、絶対にメールに書かず、電話して口頭で言っている。

○ブログの投稿への意見は口頭で言わずに、コメントに書くか、トラックバックして自分のブログに書くのがマナーだと思う。

お客様とのやりとりは、最低限の事務的なもの意外は電話か実際に会って話をしている。

であった。 彼は、なかなか良い感性をもっている。 極めて適切な使い方だろう。

<フェイス2フェイス(対面)派の言い分>

本部長も負けてはいない。 ブログを導入するべきだと会社に対して主張したのも彼である。

○論理的にはその通りだが、ブログやメールは一種の麻薬だ。習慣化すると

○納期が迫って苦しいときの逃げ道(気晴らし)になり、忙しいのにブログを見る

○ついつい、半日だらだら使っていまったりして効率を落とす。

○私は日ごろから「ネットを使え、ネットに逃げるな」と言っている。

○顔が見える人ぐらいは、少しぐらい効率が悪くても、顔をあわせてコミュニケーションとるべきだ。 その方が絶対にチームワークも職場のムードも良くなる。

○目の前の同僚が新しい企画をブログに書いてあってアドバイスをするのであれば、相手の様子を良く見て、ちょっと捕まえて、紙とペンで図を書きながら議論したほうが早いし、結果的に良いものが出来る

○日報はそれぞれの社員が自分の考えを自分でまとめるリズムを作らせ、整理する能力を養うためにブログに書かせている。 これは口頭ではだめだ。

○また、自分で整理したものは、後で自分の状況や得たノウハウを確認したり、反省する時に再利用できるし、他人にも役立つからブログに書かせている。

 これまた、正しい。 おそらく、日ごろからかなり議論しているのだろう。

皆さんは、どのように思われるだろうか?

 ちなみに、この会社では以前は、メールベースのグループウエアを利用していたが、メールをPOPに置き換えて、ファイルサーバー型グループウエアの利用もやめてしまい、いち早くブログを導入した。

 今回、「ブログでのナレッジマネジメントがうまくいかないから、相談にのって欲しい」とのことで、仕事には関係ないので飲み代をおごってもらう条件でOKした。

 この時の内容は別な機会に紹介させていただくが、この酒の席で、ブログを推進する若手に対して彼が発したのが、冒頭の言葉である。(文章にするときつく見えるが、実際に聞くと、それほど嫌味は感じない)

 冒頭の言葉を聴いたときは、古いタイプで横暴だと感じたが、若手からの意見に対して、非常に的確にF2Fの必要性を語っている。

 今後の、この社内ブログがどうなっていくかが楽しみである。 結果が出た時に投稿する。

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