東京糸井重里事務所は売上30億円&純利益3億超えで「ほぼ上場企業」レベルなど:1分から読める注目の非上場企業の決算情報
東京糸井重里事務所は売上30億円&純利益3億超えで「ほぼ上場企業」レベルなど、2015年11月27日の1分から読める注目の非上場企業の決算情報です。
第37期決算公告 11月24日官報53頁より
売上高(2015年3月31日現在)
3,185,000千円
当期純利益
304,469千円
利益剰余金
1,765,553千円
企業情報
企業概要
糸井重里という天才
東京糸井重里事務所は、その名の通り「おいしい生活」やジブリ作品のキャッチコピーで知られる日本を代表するコピーライターであり、矢沢永吉の「成り上がり」の編集者であり、みうらじゅんの才能を見出した人であり、「ポケモン」にも繋がる名作RPG「MOTHER」シリーズのゲームプランナーであり、任天堂の故岩田聡氏の盟友でもあり、時おりテレビで釣りをしてココリコ田中に罵倒されたり、徳川埋蔵金を探したり、巨人が優勝できずに六本木を褌一丁で走ったりして、それを故ナンシー関に批評されたりする糸井重里氏(白戸家のお母さんのリアルな旦那さんであり、トトロ世界ではサツキとメイちゃんのお父さんでもありますね)の個人事務所で、現在は氏の個人メディアから始まった「ほぼ日刊イトイ新聞(以下、ほぼ日)」を中心とした各事業を展開しています。
「ほぼ日」とは?
元々は80年代、超一流のコピーライターだった糸井氏が、企業側の「今売れている」が消費者に響くメッセージとなった90年代以降の広告やメディアに違和感的なものを感じて、1998年に始まった「ほぼ日」(更新のプレッシャーへの予防線で、ほぼ、が付いていたようですが、開始以来現在に至るまで毎日更新されています)ですが、現在では1日150万PVを誇る日本最大クラスの個人Webサイトになっています。サイトの特徴としては、デザインやコンテンツ的には雑多な情報がある程度カテゴライズされつつも、それぞれの記事として独立している、それでいて空気感みたいなものは統一されている、雑誌を思わせる作りになっており、ある意味昔のホームページ的な手作り感の匂いもする作りになっています。
広告販売を行わずに売上30億円
そして、ビジネス的な特徴としては、これだけのブランドとPVを擁しながら広告販売を行わず、手帳やTシャツ、コンテンツの書籍化によって上記の通り、30億円を超える売上を上げているのが特徴です。また、その収益性に関しても高く、ビジネスモデルを評価するポーター賞も2012年に受賞しています。例えば、主力商品である「ほぼ日手帳」はカバーを合わせると4000円近い価格帯であるにもかかわらず、ロフトの手帳部門で11年連続で1位を獲得しており、2014年には50万冊以上売れています。この数字を掛け合わせると20億円となり、基本的に手帳は性質上、気に入ってもらえればユーザーのリピート率は高く、また、毎年バージョンアップは行うとはいえ、一から全てをつくり上げるわけではないことを考えると、高収益率なのも頷けますね。
「柔らかい上場」はありえるのか?
そんな、東京糸井重里事務所ですが、以前から糸井氏は「いつでも上場できるくらいの資格を持っていないと生き延びられないと思っている。もう、5年も6年も上場準備と称して、社内を整えている」と語っており、また上記の数字自体はそれに足る数字だとは思いますし、将来的なことを考えれば戦略としてはありかとは思いますが、一方で常に右肩上がりの成長が求められる上場企業として「ほぼ日」が成り立つのか、またいずれ糸井重里というカリスマがいなくなった時にもそれが可能なのかは、ちょっと簡単ではなさそうですね。
決算数字の留意事項
基本的に、当期純利益はその期の最終的な損益を、利益剰余金はその期までの累積黒字額or赤字額を示しています。ただし、当期純利益だけでは広告や設備等への投資状況や突発的な損益発生等の個別状況までは把握できないことがあります。また、利益剰余金に関しても、資本金に組み入れることも可能なので、それが少ないorマイナス=良くない状況、とはならないケースもありますので、企業の経営状況の判断基準の一つとしてご利用下さい。
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