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遂にベールを脱いだ、強くてニューゲーム「メルカリ」の売上42億円など:1分から読める注目の非上場企業の決算情報

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メルカリ.png遂にベールを脱いだ、強くてニューゲーム「メルカリ」の売上42億円など、2015年11月24日の1分から読める注目の非上場企業の決算情報です。

第3期決算公告 11月24日官報55頁より

 売上高(2015年6月30日現在)

4,237,787千円

 経常損失

△1,099,964千円

 当期純損失

  1,104,598千円

 利益剰余金

  △2,502,912千円

企業情報

 企業概要

  メルカリは強くてニューゲームなのか?

メルカリ」は2013年7月にリリースされたフリマアプリで、2014年8月からは米国にも進出しており、最近はTVCMでもよく見かけるようになりましたね。僅か2年で国内ダウンロード数2000万(+米国500万)国内、累計出品数1.6億品、フリマアプリ市場では9割の人がメルカリの利用経験あり、というインフォグラフィックを見ても分かる通り、ここ1〜2年で急激に伸びているCtoC市場の中でも圧倒的な存在感を見せています。

メジャーになってきたフリマアプリですが、主な機能は各社同じで、スマホのカメラを使って2~3分程度で簡単に出品、あるいは購入したい商品を見つけたらすぐに購入できる、といったオークションサービスです。にもかかわらず、その中でも「メルカリ」が圧倒的に伸びているのはやはり、創業者である山田進太郎氏の存在が大きいと言われています。

山田氏は1977年生まれで、早稲田大学在学時に楽天でインターンとして「楽天オークション」の立ち上げに参加、卒業後は2001年のウノウの立ち上げ等を経て2004年に渡米、2005年に帰国後の2010年にはウノウをZyngaに数十億円規模で売却している、いわゆるシリアルアントレプレナーです。やはり、ここら辺のルールや戦い方を知っている、「強くてニューゲーム」状態というのは強いのでしょうね。

資金調達面でも、2013年7月EastVenturesから5000万円、 2013年8月ユナイテッドから3億円、2014年3月GCP、ITV、GMO-VPから14億5000万円、 2014年10月Wilほか既存株主から23億6000万円、と従来のスタートアップ離れした巨額の資金調達を節目節目で行っています。

ビジネスとしてもかなり強そう

そんな立ち上がりから、ダウンロード数や資金調達などで圧倒的な勢いを見せていた「メルカリ」ですが、ビジネス的な唯一の懸念点はリリース後1年間は手数料を取っていなかったことでした。なので、本質的な機能に差がないのであれば、他社同様有料化してしまえば、かなりアクティブ率が落ちるのではないかという見方もありました。しかし、手数料を取る前の400万DL時の流通総額が月間約10億円、直近の流通総額は月間約50億円程度らしいので、勢いそのままにビジネス的にも拡大している様子が伺えます。

今回の決算公告でも6月決算の段階で売上が42億円となっていますが、上記の流通総額と手数料の10%を掛け合わせると大体そのくらいの数字になりそうですね。月間の利用者数が567万人とあるので、例えばですが、1人が月1回平均単価1000円で売買している、みたいなイメージでしょうか。赤字も積み重なっていますが、ビジネスの拡大規模からすれば、後から何とでもなりそうな範囲に収まっています。ちなみにですが、オークション最大手「ヤフオク」の利用者数は1500万人、流通総額は700億円もあり、まだまだ差は大きいというか、凄いですね「ヤフオク」。。ただ、それは「メルカリ」の伸び代がまだまだあるということでもあります。

人類の歴史は繰り返すのか?

そんな「メルカリ」由来はラテン語の「mercari(商いする)」で「マーケット」もこちらが語源なのですが、物々交換が基本だった数千年前に生まれた「マーケット」という概念が、高度に発展した現代ビジネスの中でCtoC市場という形で再発見され、その更に先頭を走るスタートアップの名前になっているのは面白いところで、今後更にどういう進化を遂げていくのか、あるいはまた同じような歴史を辿るのか、そんな観点でも興味深いところです。

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決算数字の留意事項

基本的に、当期純利益はその期の最終的な損益を、利益剰余金はその期までの累積黒字額or赤字額を示しています。ただし、当期純利益だけでは広告や設備等への投資状況や突発的な損益発生等の個別状況までは把握できないことがあります。また、利益剰余金に関しても、資本金に組み入れることも可能なので、それが少ないorマイナス=良くない状況、とはならないケースもありますので、企業の経営状況の判断基準の一つとしてご利用下さい。

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