初めてのKindle出版で、役に立った書籍・記事まとめ
『18才のためのキャリア・デザイン準備』のKindle本を作成
2015年5月16日に初めてのKindle本を出版します。キャリアに関する本です。題名の通り、これから社会人になる皆さまを想定して、書きました。高校を卒業して、大学、短大、専門学校、高専などに在学している皆さまをイメージしました。18歳前後で、不登校の方に役立つかもしれない話題も盛り込みました。
『18才のためのキャリア・デザイン準備』の内容は、発売後(5/16以降)に補足の説明をしますね。
※上記書籍のリンクURLはAmazonアソシエイトのリンクを使用しています。
さて、Kindle本をAmazonに提出するまでだけでも、さまざまな困難がありました。今回は、初めてのKindle本を作成して困った時、解決のヒントを教えてくれた記事たちを紹介したいと思います。
【目次】
- Kindle出版に必要なソフト
- Kindle出版の際、役に立った本
- 一太郎で改ページする方法
- 一太郎で目次を作る方法
- 一太郎で作成した目次が、mobiファイルでは2個できていた
- iOS上でのレイアウト崩れについて
- 実機にmobiファイルを転送する方法
- おわりに
Kindle出版に必要なソフト
Kindle本を作る際、原稿を書くワープロソフト以外にも必須なソフトがあります。Amazonが配布しているKindle作成ツールは、「KDP ツールとリソース」から無料でダウンロードできます。
▼KDPツールとリソース
https://kdp.amazon.co.jp/help?topicId=A3IWA2TQYMZ5J6
私は以下のソフトをダウンロードして、Kindle本を制作しました。
- KindleGen
- Kindle プレビューアー
- Kindle for PC/Mac
その他、「教材制作ツール」「子供向け絵本制作ツール」「グラフィック ノベル、コミック、漫画の作成ツール」などもダウンロードできます。Kindle本の制作を始める前に、ぜひご確認下さいね。
epub作成ツールとして、
- Sigil(シジル)
- でんでんコンバーター
も有名です。
sigilはとても評判が良いソフトでしたが、開発者が開発を中止したらしい、という情報を見つけました。
Wikipedia のEPUBの項には、「2013年10月時点では、バージョン0.7.4でSigilサイトからダウンロードする[16]。ただし、2014年2月9日の開発者ブログによると、開発中止の模様[17]。」と記載されています。今後、ソフトウェアの更新はないかもしれません。
以下の記事は、Sigilの開発状況に加えて、epub2と3の違いなども解説しており、皆さまの参考になりそうです。
▼EPUB編集ツール「Sigil」が苦境!? いったいどうなるの?
http://densho.hatenablog.com/entry/inactive-sigil
Kindle出版の際、役にたった本
昨年の春、一太郎を購入して10日後くらいに、Microsoft WordでKindle本を作成できるガイドブックが発売されました。『Amazon Kindle ストア 電子書籍出版のコレだけ! 技』です。
- Kindle出版についてのしくみ、
- ワードで原稿を書く方法
- KDPに本を登録する方法
- 出版後のPR方法
- TIN(アメリカの源泉徴収)の対応法
など、丁寧に解説されていました。
参考:加藤 和幸『Amazon Kindle ストア 電子書籍出版のコレだけ! 技』
※上記書籍のリンクURLはAmazonアソシエイトのリンクを使用しています。
また、小林啓倫さんの『キンドルで本を売る。―キンドル・ダイレクト・パブリッシングを通じた個人出版のアドバイス 』も参考になりました。
商業出版の経験がある小林さんが、個人でKindle出版するときに気をつけたい原稿内容のポイント、価格の付け方などを解説しています。
さらに、sixapartブログの「Kindleダイレクトパブリッシングで電子書籍を出版するときの注意点まとめ」は、Kindle出版関連の記事で最も参考になりました。Kindle出版でつまづきやすい点を、網羅しています。
- 大まかな作業の流れはどんななの?
- 適切な文章量や価格は?
- 縦書きで書く時の注意点
- 表紙画像を作るときの注意点
- 便利すぎて神! でんでんコンバーター
- Kindleプレビューツールで実際の見た目を確認
- iPhoneやKindle Paperwhite実機で確認するときの注意点
- 米国での源泉徴収税の免除手続き時の注意点
- Kindleへのデータ登録時の注意点
- ブログの電子書籍化は漏れなく審査に引っかかる
- 公開案内メールのURLが違う
- 公開された後での注意点
2冊の本とsixapartブログを参考に、原稿執筆とKindle本の制作を始めました。一太郎の操作でつまずいた点は、ウェブ検索で乗り切りました。役に立った記事&TIPSをご紹介しますね。
一太郎で改ページする方法
一太郎とワードではソフトの操作方法が違います。しかし、見出しを付けないと目次の作成ができない点など、どちらのソフトを使ってもやるべきことは同じでした。そこで、加藤和幸 さんの本を読んでから、一太郎で原稿を作成しました。一太郎とワードの操作は違いますので、操作方法について複数の記事を参考にしました。
最初に困った点は、一太郎で改ページする方法です。ワードでは、Ctrl+Enterキーを押すと強制的に次のページへ改行できます。同じショートカットキーを、一太郎で試しましたが、駄目でした。
そこで、「一太郎 改ページ」で検索したところ、Ctrl+Yキーを押せば良いことを知りました。
▼Q,ページする/改ページをやめる(JustSystemsヘルプより)
http://support.justsystems.com/faq/1032/app/servlet/qadoc?QID=017436
ショートカットキーを覚えるのは難しいという場合は、一太郎2014の画面上部のメニューで
- 左から4番目の[挿入]をクリック
- [挿入]メニューの上から5番目[記号/リーダ/スペース]をクリック
- [記号/リーダ/スペース]メニューの一番下にある[改ページ]をクリック
すれば、強制的に続きの文章を次のページに改行できます。
一太郎で目次を作る方法
一太郎で目次を作る方法も、ワードとは少し違っていました。私はJUSTSYSTEMSのヘルプを参考にしました。
▼Q,電子書籍(EPUB・Kindle/mobi形式)で保存するデータに、目次を作成したい
http://support.justsystems.com/faq/1032/app/servlet/qadoc?QID=053728
一太郎2014の画面上部のメニューで、
- 右から3番目[ツール]をクリック
- [ツール]メニューの下から5番目[目次/索引]をクリック
- [目次設定/解除]をクリック
- [目次1]など、目次のレベルを選択して、[OK]をクリック
- 目次にしたい段落をクリック
すると、目次を設定できます。
後日、一太郎の画面キャプチャ付きで「目次の作り方」を解説している資料を見つけました。このPDFを見れば、目次の設定方法は一目瞭然でした。
▼文書の目次を作ろう(JustSuite道場のPDFより)
https://gate.justsystems.com/download/school/coneta/contents/026.pdf
一太郎で作成した目次が、mobiファイルでは2個できていた
一太郎で、原稿を書き上げた後、Kindle出版に対応したmobi形式で保存をします。具体的な手順は、以下の公式ヘルプの「3・電子書籍の形式で保存する」に書かれています。
▼Q,電子書籍(EPUB・Kindle/mobi形式)で保存するデータに、目次を作成したい
http://support.justsystems.com/faq/1032/app/servlet/qadoc?QID=053728
一太郎2014の画面上部のメニューで、
- 一番左の[ファイル]をクリック
- [ファイル]メニューの上から6番目[他形式の保存/開く]をクリック
- [他形式の保存/開く]の上から3番目[Kindle/mobi保存]をクリック
- [種類]を[リフロー]にして、保存をクリック
すると、mobi形式のファイルを保存できます。
ところが、作成したmobiファイルをKindlePreviewerでプレビューしたら、目次が二つありました。
【最初にできたファイル】
- 表紙(画像)
- 目次←自動生成された目次
- 書名・著者名
- 目次←自分で作成した目次
- はじめに
JUSTSYSTEMSのサイトには、「※Kindle/mobi形式の場合、一太郎が追加した目次一覧の場所を移動することはできません。(http://support.justsystems.com/faq/1032/app/servlet/qadoc?QID=053728 より引用)」と明記されています。
そこでいったんは、「自分で作成した目次」を削除しました。
【2番目に作ったファイル】
- 表紙(画像)
- 目次←自動生成された目次
- 書名・著者名
- はじめに
このKindle本を開くと、「書名・著者名」のページが表示されますので、読者は
- 書名・著者名
- はじめに
- 以下略
という順番で読んでいきます。読者は、「目次の存在」に気がつけないのでは? と悩みました。
高野敦志さんがこの現象について、丁寧に解説していました。
あと、もう一つ、指摘しておきたいことがある。一太郎2013玄で目次を作成し、それをmobiファイルに変換すると、一太郎で設定した目次と、mobiへの変換の際に生成される目次が、重複してしまうのである。一太郎では、「目次一覧」を作らなくても「目次レベル」が設定された段落をもとに、Kindle用の目次が自動で生成される。
※http://takanoatsushi.seesaa.net/article/354839036.html より引用
目次が重複しない手順が2つ解説されていました。私は簡単な方のやりかたを試しました。
今述べたことが煩瑣なら、とりあえず、目次が設定されたePubを、Kindle Previewer(http://www.amazon.com/gp/feature.html?ie=UTF8&docId=1000765261)でmobiに変換すれば、kindle用の目次は自動で生成されないから、目次の重複という不具合は回避される。
たしかに、一太郎で生成したepubをKindle Previewerで開いてmobiファイルに変換したら、目次の重複はなくなりました。
iOS上でのレイアウト崩れについて
しかし、Kindle PreviewerやKindle PaperWhiteでは問題なく表示されていたのに、iPhoneやiPadではレイアウトが崩れてしまいました。
行頭が3字分下がる怪奇現象が起ったのです。一太郎のインデントを調べたり、ウェブ検索したり努力をしましたが、解決方法がわかりませんでした。
高野さんが書かれた難しい方のやり方でmobiファイルを生成すれば問題がないのかもしれなかったのですが、発売予定日を設定したため時間がありませんでした。
最終的には以下の記事の記載を信じて、一太郎が自動生成する目次のみにしました。
iOS版Kindleアプリで本を開いたときに、
- 目次や論理的な目次が、アプリ左上のメニュー一覧にきちんと表示されている点と
- 文章をレイアウト崩れさせない点
を優先したからです。
▼Kindle mobi形式サンプルとKindle 専用のEPUBと一般のEPUBの相違点(リフロー型の場合)
http://blog.cas-ub.com/?p=3937
アマゾンの資料には、目次(toc.html)はspineの先頭におくようにと書かれています。で、いまは、その通り先頭においているのですが、目次が先頭で本当に良いんだろうか?
普通の本は、扉や前付けの後ろに目次を置くのですが・・・
◎Kindlegenが出す、「本の中にページマップが見つかりません」というメッセージについては、アマゾンの「Kindle Publishing Guidelines」(Version 2012.4)には説明がありません。悩んでいる人が多いようです。どうも、page-mapはアドビの独自機能で、非標準。ページ番号とEPUBの記事の対応付けをするためのXML形式らしいです。
Amazon Kindle パブリッシング ガイドライン(PDF)には、以下のように書かれていました。
3.3.6 目次のガイドライン #6: 目次は本の冒頭に配置する HTML 目次は本の巻末ではなく、冒頭に配置してください。これにより、読者が最初からページをめくると目次を 自然に目にすることになります。目次を誤って配置すると、「読み終えた最後のページ」機能の精度に影響します。 正しく配置することで、目次がダウンロードされる本のサンプルにも確実に表示されるようになります。
※http://kindlegen.s3.amazonaws.com/AmazonKindlePublishingGuidelines_JP.pdf p.24より引用
公式ガイドブックに「HTML 目次は本の巻末ではなく、冒頭に配置してください」と書かれている点と、iOS上でレイアウト崩れしない方を優先して、
- 表紙(画像)
- 目次←自動生成された目次
- 書名・著者名
- はじめに
の形式で、KDPに納品をしました。
実機にmobiファイルを転送する方法
「Kindleダイレクトパブリッシングで電子書籍を出版するときの注意点まとめ」を参考に、実機テストを行いました。
実機テストは、
- Kindle PaperWhite
- パソコン版Kindle
- iPhoneアプリのKindle
- iPadアプリのKindle
で行いました。
mobiファイルの転送は、『Amazon Kindle ストア 電子書籍出版のコレだけ! 技』で紹介されていた方法や、「Send to kindle」というソフトを使って行いました。
▼Send to kindle
http://www.amazon.com/gp/sendtokindle
英語のサイトなので戸惑いましたが、画面の右側「From your desktop」の見出しの下にある「Send to Kindle for PC」または、「Send to Kindle for Mac」をクリックして、画面上部のダウンロードボタンを押せば大丈夫でした。
- Send to Kindle for PC ←Windowsのユーザはこちら
- Send to Kindle for Mac
他にも、Eメールを利用して実機にmobiファイルを転送することができます。公式サイトによると、対応しているICT機器は、
パーソナル・ドキュメントサービスは、Wi-Fi接続時に、端末にドキュメントを無料で送信できるサービスです。Kindle端末、Fireタブレット、Kindle for iPad/iPhone、およびKindle for Androidにパーソナル・ドキュメントを送信すれば、その端末で、いつでもどこででも読むことができます。なお、これ以外のKindle無料アプリ(Kindle for PC、Kindle for Macなど)はパーソナル・ドキュメントに対応していませんのでご了承ください。
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=200767340 より引用
とのことでした。
サービスの利用方法や送信データの容量等は、以下の記事をご参照下さいね。
▼Kindleパーソナル・ドキュメントサービス
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=200767340
▼Send-to-Kindle機能を利用してパーソナルドキュメント(電子書籍ファイル)をKindleへ送る方法
http://www.iineshoten.com/blog/how-to-send-to-kindle/
おわりに
実際にKindle本が販売されてから
- PRをどうするか
- 誤字脱字の修正などバグ対応
- 源泉徴収の問題
など、さらに課題が生まれそうです。
この記事をさらにアップデート&別記事で補足したいと考えています。私がつまずいたところだけ紹介したので、情報に漏れがあるかもしれません。この記事がKindle出版でお悩みの方のお役に立ちますように願っています。
編集履歴:2023.9.24 7:55 冒頭から「こんばんは。岡崎マミです。」と「現在は、『18才のためのキャリア・デザイン準備(Kindle版)』が予約注文中です。」を削除。