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グローバル化する中で日本人はどのようにサバイバルすればよいのか。子ども×ICT教育×発達心理をキーワードに考えます。

浦島太郎が玉手箱をあけておじいさんになった後の「続き」をご存知ですか? ・前編

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カラオケでプロに挑む

本日、関ジャニ∞(かんじゃにえいと)が出演しているTV番組を見ていたら、「歌手・小柳ゆき さんに歌の上手なお笑い芸人・ものまねタレントがカラオケで挑む」、という企画が放送されていました。歌の内容は、「あなたのキスを数えましょう」「愛情」「be alive~そのままの君でいて~」の3曲です。

参考:小柳ゆき 他『The Best Now&Then-10th Anniversary-(初回限定盤)』(2010)
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歌は本家の小柳ゆきさんが、ダントツで素晴らしい。小柳さんが高校生だった時の、力で押す歌い方とは違っていました。表現の幅が増し、P(ピアノ)の時の繊細な表現や、サビで声量が増した所の裏声の使い方が、大人の歌い方に変化されていました。

参考:小柳ゆき『あなたのキスを数えましょう~You were mine~/PARADISE/天使のささやき』(1999-09-15)

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声質も声量も、持ち歌を歌っている小柳さんのほうが、音楽性を感じます。迫力がありました。歌詞の意味を噛み締めるように歌って、繊細な表現も感じさせる歌声。観客席の女性が感動して泣き出したほどでした。

しかし、カラオケとなると話は別。プロの歌い手としてつい、歌にためが入ってしまうために、カラオケでは「楽譜通りではない」ということで減点されてしまったのです。

カラオケの基準

カラオケの場合は、楽譜の正確性(CDの歌い方通りか?)が求められます。加えて、こぶしやビブラートが、音程の取りにくいタイミングで入れられると、加点されます。そのため、歌唱力があって、聴いている人が感動するような歌でも、カラオケの採点が高くなるとは限らないのが番組のツボです。

楽譜通り音程・リズムを正確に歌えて、ビブラートが適宜入ると、素人でもプロより点が高くなる。歌唱力のあるプロが、カラオケの採点では負けるかもしれないのが興味深いところです。

何を持って評価するのか

オリンピックを見ていても、見ていて面白い、見ていて感動する高度なプレイと、ポイントが高いプレイは別物。何を基準に優劣を判断するのかで、勝敗・評価が変わるのが難しいところです。いい悪いの判断だけでなく、人によって内容の理解がずれてしまうのが恐ろしいところでもあり、興味深くもあります。

浦島太郎は約束を破ったからおじいさんになったのか!?

「私はすべて知っているよ」と思っている事でも、実は知らないことがたくさんあります。昔話『浦島太郎』の続きも、その一つです。

参考:時田 史郎『うらしまたろう (日本傑作絵本シリーズ)

小学生の時読んだ絵本には、こんなあらすじが書かれていた記憶です。

今となっては昔のこと。 浦島太郎は浜でいじめられている亀を助けた。善行を積んだので、竜宮城で乙姫様や関係者に素敵なおもてなしを受けた。しばらく幸せに過ごしたが、陸地にいる家族のことが気になってしまった。
引き止められたが、浦島太郎は家族の元へ戻ることにした。 陸地に帰った時に家族が見当たらない。浜辺にいる人に話を聞いたら、未来になっていたようだった。浦島太郎は乙姫様との約束を破って玉手箱をあけてしまった。
海にいる間に数百年が過ぎていたので、浦島太郎は本来の年齢になった(おじいさんになってしまった)。空になった玉手箱だけが、浦島太郎に残った。 おしまい。

小学生だった私は「浦島太郎がおじいさんになって、おしまい」という結末が、ものすごく不可解でした。なんでいいことをした人が、おじいさんになって終わってしまうのか? 善行を積んだ浦島太郎が、幸せになって終わらないなんて。意味がわかりません。

大人はこう答えた

そこで、学校の先生か大人の人に質問をしました。すると、どなたが答えてくださったのか忘れましたが、「乙姫様との約束を破ったから、浦島太郎はおじいさんになったんだよ。約束を破ると罰が当たるというタメになるお話しなんだよ」と説明を受けました。

「いいことをしても、油断をすると罰が当たるという話だったのか。随分、怖い話なんだな......。」と、小学生の時に思いました。

もう少し大きくなったときは、小学生の時に大人の人から教えてもらった話を参考にこう考えました。「浦島太郎の話は元の木阿弥という話もあるし、人間油断すると取り返しがつかないことがあるということなんだろうな」と。自分なりの理解をしていました。

大学生になってから知ったこと

大学生になり、日本文学専攻に入学しました。オリジナルの「浦島太郎」が収録された『お伽草子』(室町時代物語) を読んでビックリ。浦島太郎が砂浜で玉手箱をあけて、おじいさんになってしまった後の続きがあったのです。

参考:市古 貞次『御伽草子 下 (岩波文庫 黄 126-2)

その内容は、今まで絵本や児童書で知っていた『浦島太郎』の印象とは、大きく異なるものでした。果たしてどんな内容だったのか。

>>現在、執筆中の「浦島太郎が玉手箱をあけておじいさんになった続きをご存知ですか? ・後編」に続く


編集履歴:2013.12.24 22:21 記事の前半部分を別記事「価値判断の基準・私考 小柳ゆきさん編」として独立させました。同日22:24 記事の中間部分を「価値判断の基準・私考 ラバーズコンチェルト編」として独立させました。2014年4月17日15:42に、はてなブログ「古典文学がすき」に移動させました。2014.8.16 21:01 オルタナティブブログに戻しました。2014.9.25 21:27 「価値判断の基準・私考 小柳ゆきさん編」をこの記事に戻しました。2015.1.25 0:48 句読点を追加。助詞・接続詞、カギ括弧、中黒を修正・追加・削除。「の」「に」「しかし」「私見では」「もちろん」「そのため、」を削除。「も」→「が」、「のある」→「があり」、「迫力があり、」→「迫力がありました。」に変更。「か?」を追加。

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