オルタナティブ・ブログ > 教育ICT研究室 >

グローバル化する中で日本人はどのようにサバイバルすればよいのか。子ども×ICT教育×発達心理をキーワードに考えます。

知っているようで知らないこと ラバーズコンチェルト編

»

知っているようで知らないこと

音楽の話で興味深い曲があります。バッハの「メヌエット ト長調」です。この曲は数十年前に「ラバーズ・コンチェルト」というポップスとしてカヴァーされ、一般人にも有名になりました。

ラヴァーズ・コンチェルト~サラ・ヴォーン・ベスト ラヴァーズ・コンチェルト~サラ・ヴォーン・ベスト
Sarah Vaughan



Amazonで詳しく見る by G-Tools

※上記商品のリンクURLはAmazonアソシエイトのリンクを使用しています。

バッハの「メヌエット ト長調」=「ラバーズ・コンチェルト」と思われている方が多いようなのですが、実はメヌエット ト長調の前半部分にすぎません。「続き」があるのです。

私は素人なのでピアノ演奏はうまくありませんが、こんなメロディだということを汲み取っていただくならばセーフかな? と思い自分で今日弾きました。

バッハのメヌエット(2012年8月4日)
※どんな続きがあるのかみなさまに説明したかったので、素人の演奏なのですがアップしました。著作権の問題があるのでプロの演奏を無断で利用するのはダメだろうと考えたからです。恐れ入ります。

私は音楽の素人なので、以下は知っている範囲での知識です。誤りがあった場合は恐れ入ります。

バッハの「メヌエット第一番 ト長調」は「メヌエット第二番 ト短調」と関連性を持たせて作曲されたそうです。第一番を弾いた後、第二番を弾いて、再び第一番に戻って終了するという演奏が本来の弾き方のようです。

二曲は関連した楽曲なのでリズムが似ています。第一番の前半は旋律が上の音へ上がっていく印象があります。第二番の前半は逆に下へメロディが下っているように感じられます。

後半になると音の動き方(方向性? )が逆転します。第一番の後半は旋律が下の音へ下がっていく印象があります。第二番の後半は逆に上へメロディが上っているように感じられます。

「長調」と「短調」の差がメロディに「明るさ」と「哀愁」の差を与えているようにも聴こえます。似ているけれども非なるもの。

一般の人は第一番の前半しか知らない方が多いようですが、第二番の哀愁を帯びた美しいメロディは私見では第一番よりも音楽の深みを感じます。この二曲の楽譜を知った時、知っているようで意外に知らないこともあるのだなと感じました。

追記

今、ウェブ検索をして知ったことですが、「メヌエット ト長調はバッハではなく別人が作曲したもの」というamazonレビューを見つけました。真偽はいかがなものなのでしょうか?

参考文献

バッハ ピアノ小品集 解説付
全音楽譜出版社
4111050301

追記:2012年8月5日0:14 私が20年くらい前に買った上記の楽譜とは違って、原典に忠実な版が出ていました。こちらのほうが評判が良いようです。恐れ入ります。

バッハ クラヴィーア小曲集 解説付 (市田編) (Zenーon piano library)
ヨハン・ゼバスティアーン・バッハ 市田儀一郎
4111050905

>>「浦島太郎が玉手箱をあけておじいさんになった後の「続き」をご存知ですか? ・前編」に続く


編集履歴:2013.12.24 22:24 「浦島太郎が玉手箱をあけておじいさんになった後の「続き」をご存知ですか? ・前編」の中間部分を「価値判断の基準・私考 ラバーズコンチェルト編」として独立させました。2023.9.26 18:13 題名を「価値判断の基準・私考 ラバーズコンチェルト編」から改めました。

Comment(0)