デジタルペンの決定打になるか!?ショットノート発売日に急いで買ってみた!
どうやってメモを残していくのか。実はかなりの難題である。PC等で全てキーボードで打ち込む、写真に撮ってアップロードなど徹底的にデジタルにこだわるやり方は検索性や活用の広がりなど素晴らしいのだが、ちょっとしたグラフのメモなどに困ったり写真の画角に収まらない広大な黒板の戦いだったりと、メモのやり方や内容にかなりの制約をかけてしまう。
結局昔ながらだとして、全部紙とペンの組み合わせでまとめるとどんな内容でもメモ出来るのだが、そのメモ帳にしか保存されないし検索も出来ない。特にそのメモ帳上にしか保存されていないというのは致命的だ。打ち込むなりデジタル化の手間をかけないと共有などが出来ない。その上、飲み会でビールなんかこぼしてしまうとこれまで積み重ねたメモの努力が全て台無しになる可能性もある。
何が良いのか、Nokia Digital Pen SU-27・Livescribe SmartpenといったスウェーデンAnote技術ベースの物、PentelのAirpenといったイスラエルMVPenベースの物、MOLESKINE(モレスキン)のiPadノート&ケースセットなど色々試してきたが、どれも一長一短。
そこに殴り込んできたのがポメラなどの単機能にこだわったデバイスで気を吐くKING JIM!!
ShotNoteキングジム公式ページ
http://www.kingjim.co.jp/sp/shotnote/
『手書きのノートを写真で撮る』この単純なやり方をどこまで高めてきたのか。
ワクワクしながら今日の発売を迎え、早速レビュー!!
■サイズはS・M・L。Macbook AirやiPhoneと比べると写真のような感じ。サイズとしては要するにフランスのロディア(RHODIA)である。個人的にはもうB5サイズあたりまで大きいノートが欲しい。
■とりあえず文字を書き込んでみる。自分は万年筆ユーザーなので、常用インクと紙の相性は重要だったりする。
ペリカン(Pelikan)のスーベレーン(souveran)M300、インクはLAMYのLT52BL。ちょうど良い案配の書き心地で安心。
右上のNo.とDate.はOCRスペースになっていて、ここに書いた文字はShotNoteアプリ内でOCR処理されタグに使用される。
■ShotNote iPhoneアプリで読み込んでみる。
最初バーコードコード読み取りアプリである感じの、スキャンし続けつつ自動で焦点や枠を合わせて読み込むタイプかと思いきや、シャッターで一度撮影するタイプだったのが意外。なので感覚的にはiPhoneでホワイトボードの写真を撮ったりするのと一緒。
そして右上のNo.やDate.欄のOCR処理については、Noになるべきところが日付の方を読んでしまい「No.0802」とされてしまった(実際はiPhoneの日付もあるので問題ない)。ホームページにもデジタル文字風に書いてくれとあるので、これは字が汚かったのと、あとはペン先が太すぎた可能性がある。ペン先の太さについてはLサイズのノートは記入欄も広がっているので、太めのペンを愛用する人は大きめサイズを使った方がよいだろう。
■そしてEvernoteへアップロード。EvernoteにはiPhoneの時計を用いた撮影日も登録されるため、少々OCRがおかしくても問題ない。そしてEvernoteの昨日で、日本語OCRもされるので、写真のように検索できるように(字がきれいならば)!!
■あれ、殆どふつーの紙のノート!?最初ちょっと期待が大きすぎたため戸惑った。でもよくよく考えるとちょっとしたことが心地よいのだ。
どのサイズのノートでどのペンで書いても、どこで書いてもどのiPhoneでとっても、自分のEvernoteにはデータが貯まってゆく。
Evernoteにさえあれば、自動でそれなりのOCR処理はされるし、どこでもどのデバイスでも検索できるということになる。
メモの出口をEvernoteにすると割り切ったとき、入口の多様性を広げてくれるのがショットノートの良さの本質なんだろう。
値段も数百円程度と、ノートとしては高いけど、デジタルデバイスの周辺機器としてみたら格安。
『これは長くつきあってゆけそうだ』、ショットノート初日の感想である。
#元Justsystemの浮川夫妻のMetaMojiからリリースされたiPad向けノートアプリ「7notes」も話題だ。
MetaMoji、iPad用の手書き入力デジタルノートアプリ「7notes」
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1102/03/news100.html
数々のiPad向けノートアプリと比較しても出色の出来なのだが、惜しむべきは基本的には独自サービスにのみデータを保存すること。
しかしこう書き連ねてみると、デファクトのプラットフォームという立ち位置を得ることは、少々良いデバイスを開発したぐらいでは揺るがない地位であることがわかる。
こうなると今回のキングジムのショットノートのように、徹底して他人のふんどしで勝負する気概で小さい便利を積み重ねていく中で優位な立ち位置を狙っていくしかないだろう。