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グローバル化する地球の中に、日本はどう立つのかを考える日々

iPhoneにも新OSの動きが+先日のイベントの感想

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先ほどAll Things DigitalがAppleがiPhone OSに関するイベントを開催と配信。

Apple Announces April 8 iPhone OS Event
http://digitaldaily.allthingsd.com/20100405/apple-announces-april-8-iphone-os-event/

なんと4月8日に!3日後!!
ただ噂のように6月22日にiPhone新OS+新機種となるならば、リードタイムとして今からでも遅いぐらい。
iPadで業界の空気の主導権を握っているからこそ、秘密主義を貫いて3日後開催なんて無理が効くのだろう。
関係者は他の予定を切ってでもAppleの会場に向かって、切ったはずの予定の相手と会場であったりするのかな(笑)

先日紹介させていただいた、自分も登壇した慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス20周年式典でのイベント、「SFCとwebのあゆみ20年史」。
http://togetter.com/li/12703
http://twitter.com/sfc20_web

たかが日本の一大学のさらに地方キャンパスの話ですが、それでもWIDEやW3Cの中心地なのでWebの歴史に重要な役割を果たしてきたSFC。特に初代の方々は切り開いて来たわけで、フロンティアに対するこだわりが凄く熱く、自らを省みると恥ずかしい限り。

だけどちょっと時代が変わったかなと思うのは、今はWebのみでフロンティアを構成できるほどWebは小さな存在で無くなってしまったと言うこと。

軍事研究だったり世界最高の頭脳が情報を交換する場だったりする時代から、GeekやNerd達の遊び場として一気に広まり、具体的に人々の生活を影響を及ぼすようになると、WebはWebとして独立したルールではいられず、エリック・レイモンドの諸論文に描かれていたような世界から、既存の法律や慣習に囚われた世界に降りて着ざるを得ない。

端的に言うと、技術合理的で評価される時代は終わり、政治的コスト(政局・地元・人々は急に変われないetc...)に足を引っ張られる時代になったと。

そんな時代のフロンティアは、社会的起業や新しい公共といったバズワードになるのかな?のように、旧来の仕組みをWebをインターフェースとするICTシステムも組み合わせて生産性を上げるところに変わってきたと思う。

そうなってくるとフロンティアの見つけ方も、拓き方も、成功の仕方も、Web黎明期のようにアイデアがあって生産性の高い天才プログラマーでどうにか、といったことは出来なくなる。
そこにはこれまでの生産性の低い仕組みの中で緩やかな死を選ぶことを良しとしてしまう大衆を先導して気づかせるという、膨大なコミュニケーション・政治コストがかかるから。

こんな時代だと、フロンティアは美しい展望として突如私たちの眼前に現れるものではなく、砂金集めのような地道な作業になるから、Webの進化も昔のようにGeek的に華々しいものではなくなるという諦観を持った上で、フロンティアを探し続ける努力が必要になると想う(フロンティアを拓く人も、周りも)。

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