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始動サロン 吉田就彦さんとヒット学はじめ創造とマーケのお話を

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前回に続き、始動 Next Innovator 2015なる経産省肝いりでWiLなどが実施の起業家・イントラプレナー育成プログラムの「始動」サロンのお話を。7月27日の回は、「Fireside chat with 吉田就彦」と題し、幾多の大ヒットを生んだ超ヒットメーカーでありデジタルガレージの上場時の経営チームでもあった、ヒットコンテンツ研究所代表取締役社長、デジタルハリウッド大学大学院教授の吉田就彦さんを招きました。

チェッカーズやだんご3兄弟の大ヒットはいかにして生まれるのか?そこには法則を見出すことができる。その一つは、ヒットのプロセスと人の心。詳しくは著書を読まれたいが 見つける→気持ちが動く の二つの関門が通過できないとどうにもならない。主な関門は5つあるが、そこでは「楽しさ」や「便利さ」がキーワードとなる。また、主なヒットのパターンとして6つの法則を吉田さんはあげてくれた。

どれも、なるほどもっともだ、というものだが、ひるがえって考えると、それがちゃんと実践されている例は意外なほど少ないことに気づく。もっとも、こうしたセオリーを知って経験者がやっても、結果としてヒットとなるのは1-2割がせいぜい。ジョージルーカスも同じことを言っているとか。しかし、やっていなければ、ほぼ全滅。

これは、スタートアップにも当てはまる。Lean Launchpadの手法をとれば成功率は上がり、やっていないと失敗率が大幅に上がる。しかし、成功率を上げても限界がある。半分以上は成就しないのが現実だ。

当事者は何をするか? 吉田さんは、大量のインプットをしたという。映画他いろいろなコンテンツを浴びるように体験する。そこから、コンセプトや切り口などを着想するのが。また、取り組む上で、「愛する」こと。やっているテーマや対象などを愛し愛を注ぐこと。

小生自身も、ラスベガスのトップクラスの大ヒットしているショーをみると、この演出家はどうやってこんなの考え出したんだろう実現したんだろう、というものを目の当たりに衝撃を受ける。するとインスパイア―され、自分の発想も進化する。

ちなみに、ピアニストの妻曰く、「メモとってばかりの人はピアノは上達しない」。これは新事業でも然り。本サロンでも、大企業に所属の参加者にメモとってばかりの人が散見されたが、吉田さんがまさに心が鍵だと言っているのに、心を全開にして感じようとしないのは、皮肉なものだ。読者の皆さんには、記録をとるのと、感じることのメリハリ・使い分けをするようお勧めする。特に、パソコン、スマホそしてソーシャルメディアの時代となり、書きながら撮りながらの例をよく見る。そこでは受けているインスピレーションはだいぶカットされることになるのだ。

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吉田さんと小生(右の和装)

書籍「アイデアをカタチにする仕事術
書籍「ヒット学─コンテンツ・ビジネスに学ぶ6つのヒット法則

マイナビ連載 吉田就彦の「ヒットの裏には『人』がいる」

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