ダライ・ラマ法王 横浜法話・講演 に参りました
ダライ・ラマ法王 横浜法話・講演 に、着物のお師匠・津田さんにチケットをご手配いただき、参りました。
2012年11月4日(日)会場:パシフィコ横浜 展示ホール
<法話> 心の変容に関する八詩頌
Eight Verses of Training the Mind
<講演>『こころを育む』~絆を深め、豊かな社会へ~
Nurturing the heart: developing better relationships for a healthy, happy society.
特に法話は、あらためて考えさせられるものでした。
下記の「心を訓練する八つの教え」(会場配布の和訳とは少し異なる訳になっています)を中心に、お話しされました。
また宗教について加えてお話を。仏教は、自我は生じては消える、つまり自我はないとされている。他の宗教では、例えば神を最上におき、無数の個人の一つでしかないとして、自我の位置づけを抑えている。共通するのは、自我の膨張や暴走であり、これが周囲に、そして本人に、悪しき影響と結果をもたらす。
ひとつ思ったのが、お金の出現の前後で人の行動が大きく変わったこと。お金が現れる前は、みなが協力するコミュニティが栄え、助け合うことは当たり前だった。それが、お金の登場で、助け合いは薄れ、個々の利益への傾斜が進んだのである。この人類の歴史における変化は、まさに今お金が導入されたばかりの地域での研究でも確認されている。
このところ小生が学んでいるポジティブ心理学やhappinessについても、お金に縛られ過ぎず、本来の人間的な自分らしい生き方の大切さが唱えられています。やっと人についての科学的な見方が、こうした宗教的な教えに近づいてきたようにも見えます。
こうした教えは、これらの歴史の浅い科学の先を行っています。言い換えると、これら科学が教えに追いつき、論理的に解明してくれることを期待します。「心を訓練する八つの教え」はかみしめるほどに味わいと気づきがあります。
「ダライ・ラマ 愛と非暴力」より
心を訓練する八つの詩頌
如意珠にもまさるすべての衆生のため
最高の目的を得ようという決意によって
つねに衆生を慈しむことができますように
だれと知り合いになろうとも
私自身を最も劣ったものと見なし
他者を最高にすぐれた存在と
心の底から思うことができますように
いかなる行為をおこなうときも
己の心の連続体の中でよく吟味し
自分と他者を危険におとしいれる煩悩が生じるやいなや
それに確固として立ち向かい、しりぞかせることができますように
本性のよこしまな衆生が
重い罪や苦に悩まされているのを目にしたとき
貴い宝をみつけたように
めったに見いだせないものとして慈しむことができますように
他人が嫉妬から
ののしり、あざけるなど私をひどいめにあわせても
自らあえて負けを私がひき受け
勝利は他人にささげることができますように
大きな望みをもってつくした相手が
理不尽にも私をひどく傷つけても
その相手を最良の教師と
見なすことができますように
要約すれば、直接的にであれ間接的にであれ
すべての母(なる衆生)に幸せを益をささげることができますように
すべての母(なる衆生)の苦も障害も
ひそかに私がひき受けられますように
それら(の修行)はすべて
世間八方の思考の垢に汚されることなく
すべての現象は幻のごときものであると知って
執着にしばられた状態より解放されますように
法話前のダライ・ラマ法王
お昼休み:韓国の僧侶の方々とともに(最も左が法王)
お昼休み:チベットからの僧侶
午後の講演では、ダライ・ラマ法王が真の豊かさと幸福な未来社会の礎となる「心の育て方」について、お話しされました。
質問には250人ほどの人々が質問をしたいと並ばれました。
ひとつの質問に対しては、簡単に言えば、このようなお答えが:
「身体が激しく動いているときの意識は粗く、身体が静かに休んでいる時、たとえば眠りに近くなる時、その意識は広く深くどこまでも繊細になり、もしその意識を認識することができるようになると、現実にその意識を生かし、新しい価値を生みだすことができるようになるでしょう」
スティーブ・ジョブズもそうですが、瞑想をする経営者が少なくないと言います。広く深く精妙な意識は、人にとって、とても大切なものだと再認識します。
こちら、初めての方も入門書としてよいかと。