HRD(人材の育成、教育研修)の現場から、気づいたこと、アイデアを発信します。初めて人材育成や教育担当になった方でも、わかりやすく、取り組みやすい情報提供を目指します。特に、20代~30代を元気にしたいご担当者様、是非このブログにご参加ください。

研修にネガティブな状態を、受け入れ姿勢に変える3つの工夫

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人材育成や教育に携わる人とご一緒に「参加者に喜ばれる研修を提供したい」。
そんな思いから、「使える研修を企画・運営するためのアプローチ」について紹介する第6回目。

「研修やりますよ~」という案内に対し「どうしても参加しなくちゃダメですか」「忙しいのに・・・」など、ネガティブな反応があると、「せっかく企画したのに・・・」と、がっかりすることはありませんか。「過去と他人は変えられない」とわかっていても、「どうしてわかってくれないんだ!」「うちの社員は・・・」という感情はわいてくるもの。

しかし、参加者のネガティブな反応がいたって普通の心理であることが理解できていれば、こちらの気持ちを乱す必要はありません。むしろ、その反応が普通なわけですから、淡々と対応すればよいだけのこと。

そこで今回は、参加者心理を捉えることでできる、研修のスタート時点での工夫を紹介します。

参加形態による動機の違い
組織内で運営される研修は大きく分けると、対象者を指名し参加を募る「指名式」と、参加者自身が希望し参加する「挙手式」があります。「挙手式」の場合は、研修に期待するものがあって自主的に参加するので、ある程度動機づけされている状態です。
一方「指名式」は、研修への期待感は薄い状態。研修に対し否定的な人がいたり、苦手意識をもつ人がいるなど、モチベーションの状態がバラバラです。よって、「指名式」の研修は運営に工夫が必要です。

参加者心理の客観的把握
「指名式」研修に参加する人の心理状態を、研修構築アドバイザー、リーダーシップ開発コンサルタントして活躍する株式会社マイルストーンの水野浩志氏は、「高品質セミナー作成講座(教材)」の中で、次のように表現しています。

学習棄却とコップの水.png

研修に参加する前の心理を「コップに水が満タンに入り、かつ、それがふせてある状態」ぐらいで捉えるように、としています。言い換えれば「全く聞く耳を持っていない状態」ですね。
では、そのコップの中の心理を少し具体的にしてみると、
・興味・関心がない
・自分はできている、やっている(からいいや)
・なぜ自分が?(必要なのは、自分の上司または後輩では?)
・恥をかきたくない、できないことをさらけだしたくない
・新しいことをやらされるのは面倒くさい
など、それぞれ異なるはずです。

では、コップを上向け、水を出してもらう、ために何ができるでしょうか?

コップを上向け、水を出す効果につながる3つの工夫
研修前の案内や、研修冒頭のオリエンテーションでのトップ講話などの工夫はしつつ、研修のスタート時点で、コップを上向け、水を出す効果につながるものが3つあります。

まずは、どなたでも取り組みやすい「自己紹介」と「場づくりへの協力依頼」の2つから。

スタート時は、しぶしぶ参加している場で「今日はいったい何をやらされるんだろう」という気持ちの人が大半です。それを和らげるのが「自己紹介」。話をすることは気持ちを吐き出すことにつながるので、自分の話ができる自己紹介は、思っている以上に効果があります。ここでのポイントは、「自分の気持ちを少し吐き出す(コップを傾ける)」こと。名前、職場と合わせて気持ちが出しやすいテーマで話してもらうことがポイントです。

2つ目は「場づくりへの協力依頼」です。主に次の内容を伝えます。

1.「失敗歓迎」の精神で
2.研修時の発言や意見は、オープンに
  その代わり、この場限りで(外で話さないこと)

3.お互いにフィードバックを率直に
  Iメッセージ(私は、こう感じたよ。こう思うよ)を伝え合う

誰でも、知らない、うまくできない、わからない自分を認めたくないものです。一方で「できないままは嫌だな」とも思っています。その気持ちに添い「研修は失敗してよい場であること」を伝えます。そして、それをお互いに受けとめ、建設的に対応していく場であることを伝えると、大半の方が気が楽になります。これでコップの水は、また減ります。

「できなかった経験」「失敗経験」の伝達
3つ目は、コップの水がかなり減らせる効果があるものの、少しハードルが高くなります。それは、「できなかった経験」「失敗経験」を伝えることです。経験談は、参加者の共感や成功期待感を高めるのに効果的です。

一方で、対象者に合った内容、自身の経験を赤裸々に語りつつも、研修と関連付けて伝え、具体的な示唆を含ませた内容にする必要があります。効果がある分、技量が求められます。

よって、話す場合はシナリオを作成し、周囲の方の意見を聞いたうえでの導入が安心です。

以上 参加者心理を捉え、研修の受け入れ姿勢をつくるための、研修スタート時点でできる「自己紹介」、「場づくりへの協力依頼」、「経験談の伝達」などを紹介しました。

紹介した内容を念頭に、図をもとに研修参加者について「研修参加時点ではどのような状態かな?」、「研修終了後どんな水が溢れているかな?」とイメージしながら活用いただければと思います。

なお、3つのポイントは、事務局サイド、講師サイド、どちらでも運営できる内容です。目的と状況の面から、最も効果がありそうな人が対応することをお勧めします。

以上 研修にネガティブな状態を、受け入れ姿勢に変える3つの工夫でした。

さて、以下はご案内です。研修に携わる人にもお役に立つこと間違いなし!です。
ぜひ、本ワークショップもご活用ください。

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経営者、管理職、リーダー職、人材育成担当者、士業に携わる方を対象とした
人を活かし成果をあげる力を向上させるためのワークショップ

テーマ:ドラッカーに学ぶ自身と組織のマネジメント
      ~「ドラッカーの樹」&「マネジメント・リーフレター」~  
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