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マネジャー、リーダー必須の「説得力」をいかにして高めるか

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マネジメントやリーダー職として一目おかれる人が身に付けている能力。その1つは「説得力」。「説得力」がある人たちは、相手にとってメリットがあることであれ、デメリットがあることであれ、その人が伝えると「あなたが言うなら」、「よしわかった」、「それなら仕方ない」という反応をすばやく相手から引き出します。そんな「説得力」のある人を見て「自分も説得力を身につけたい」と思ったことはないでしょうか。

私は「起業」という経験の中で、この能力がどうしても必要でした。というのは、お客様に提案を受け入れていただき「お任せするよ」と言っていただくことや、パートナーに「あなたの仕事だったら引き受ける」と言っていただけないと、ビジネスが成り立たないからです。

そのため、どうしたら「説得力」を高められるかは、今もって研究中の大きなテーマです。その研究の中で「説得力」を身に付けている人たちが当たり前のように実践し、どんな人でもやろうとさえ思えば今からすぐにでもできる習慣があることを知りました。

そこで今回は、「説得力」ある人たちが身につけている「習慣」を紹介します。

さて、昨日の夜寝る前、あなたはどんなことをしましたか?
そして朝、起きてからどんなことを意識したでしょうか?
ご紹介するのは、「夜」と「朝」に取り組むことです。

●夜:就寝前
就寝前に取り組むこと。それは、手帳やノートに次の2つを書き出すことです。
1つは、1日のスタート時にイメージした「期待する成果」に対し、「よくできたこと(うまくいったこと)」、「予想になかった(予想以上の)良い出来事」、「周囲から得た良い反応」など、1日にあった「よいこと(出来事)」を振り返り書き出す
もう1つは「明日期待する成果(何に取り組むか、実行した後の理想の状態)」を書き出す。

比較的、「今日できなかったこと」や「うまくいかなかったこと」を振り返り、翌日にそれを改善するための取り組みをされている人は多いようです。しかし、ここではそうした振り返りよりも、できるだけ「良いこと」を見つけ、そして「それを伸ばすために何をするか」「何ができるか」を考えること、それがポイントです。

●朝:1日のスタート時
前夜に書き出した 「今日期待する成果」と「それがうまくいった理想の状態」を軽くイメージする。

以上夜と朝、時間にして、5分~15分程度。この取り組みを「フィードバック」といいます。

これは、世界中の組織のマネジメントの主な概念と手法を生み発展させ、マネジメントの父といわれるドラッカーが小学生の頃から実践し続けていた習慣です。そしてこの方法は近年、ドラッカー学会の理事や翻訳家として幅広く活躍される井坂康志さんにより『フィードバック手帳』という手法で紹介されています。

「フィードバック」とは、つまるところ「期待」と「実際の成果」の検証です。『フィードバック手帳』出版後、さらにその手法をよりイメージしやすくする試みから、井坂さんは「フィードバックの樹」という図を考案されました。
フィードバックの樹「日々」.png

高収益をあげ続ける組織のケースから
私の経験を補足すると、実はこの手法を知るずっと以前、生産財メーカーで高収益をあげ続けている組織のマネジャーに、高収益をあげ続ける秘訣を教わったことがありました。それは「今日何をするかを明確にし、成果につながらないことはやらせない」ということでした。例えば「訪問」という活動に対し、お客様と自社双方にとってメリットのない活動は成果につながりません。よって営業担当者は「今日の訪問は、お客様と自社双方にとってどんな成果があるのか」それをマネジャーが確認し、承認した上で訪問活動を行うというものでした。

『フィードバック手帳』を初めて手にしたとき、この話を思い出し、改めて「今日の成果」を具体的に描きその成果につながる活動することの重要性に気づかされたのでした。そして実際に、『フィードバック手帳』に取り組み、成果を意識し始めてから業績が上向く体験をしています。よって、このシンプルな図の奥深さを実感しています。

さらにその効果は業績向上に留まりません。「期待する成果」と「その結果」を日々振り検証していくと、期待する成果のレベルは自ずとあがり、成果をあげるための取り組み精度もあがります。それを、1ヶ月、3ヶ月、半年、1年と、続ければ続けるほど成果が出やすくなるのです。

フィードバックの樹「一定期間経過後の検証」.png実は、これこそ「説得力」の源泉です。説得力は「イメージの具現化力」でもあります。「きっとこうなる」とイメージしたことを、「できます」「こうなるでしょう」と言ったことが、実現しているかどうか。それを周囲は見ているのです。

そうした力が備わっている人は、様々な知見や経験を日々蓄積しています。しかし、説得力がある人がどのようなことに取り組み経験し、また、考えているか、その過程を我々は見ることができません。

そこで必要なのは、私たちが日々考えること、得た知識、経験を日常的に「書きとめ」、日々「成果」→「検証」という地道なプロセスを繰り返しながら「蓄積」し、予測力や判断力を高める日常の仕組みです。これが「フィードバック」で、これをし続けるほどに「説得力」は高まります。

夜と朝のほんのわずかな取り組みの差が、その後の成果に大きな差を生じさせているとは。ちなみに私が取り組んで約1年9ヶ月が経ちますが「あぁ、30代で知りたかった・・・」というのが本音です。

ご関心のある方は、ぜひ井坂康志さんの著書『フィードバック手帳』を手に取ってみては?ご自身らしさを生かしながら、夢や希望に近づく「説得力」が身につくヒントが満載ですよ。

井坂康志さんが登壇される「マネジメント」ワークショップのご紹介
テーマ:「気質」の理解によるマネジメント
     ~自分への理解を4要素から深め、対応力の向上を図る~
日程:2018年3月17日(土)13:30~16:30
会場:横浜情報文化センター 小会議室
講師:ドラッカー学会 理事 井坂 康志 氏
運営スタイル:ワークショップ
参加費:5.500円(税・書籍代・資料代込)
お申し込みは、こちらのサイトから

ドラッカー学会総会&大会
第13回ネクスト・ソサエティ・フォーラム2018 
【マネジメント×いい会社~社会性と生産性をどう両立させるか?】
2018年5月12日(土)10:00~18:00(途中入退場自由) 
詳細のご案内、お申し込みは、peatexページより
※開催3ヶ月前で、既に多数のお申し込みがあります。
 今年度は座席数が限られておりますので、ご関心がある方はお早めにお申し込みください。

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