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体力だけは自信があるはずが・・・とほほの「熱中症」

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めまい、立ちくらみ、耳鳴り、胃腸の不調、眠け、筋肉痛、頭痛、倦怠感・・・病院に行くほどではなくても、何となく調子がすぐれないと感じることはないですか?実はこの症状、熱中症の初期症状でもあるそうです。

今朝見ていたテレビで、次のような報道がありました。大手自動車メーカーでは、熱中症を予防するための責任者を配置し、従業員の毎日の体調チェック、作業場所の気温と湿度の管理をすることや、製薬メーカーさんでは、熱中症の知識と対策についての研修を提供しているとのこと。

熱中症の初期症状とは思いもよらず・・・

責任者を配置し、体調をチェックしてもらえる環境にあればよいですが、そうでなければ、日々のセルフチェックが必要です。そこで私自身と家族、周囲の健康を守るためにも、しっかり調べてみようと思ったところ、なんと!初期症状の、耳鳴り、眠け、頭痛は、7月上旬の35度を超える気温の頃に、私にも思い当たる症状がありました。熱中症だとは思ってもみないまま、連休を利用して体を休めることができたので、大事に至ってはいません。しかし、この時はダルく、2日間ぼーっとし、気が付くと眠っていました。また以前、家族が、炎天下で数時間バーベキューをしたその日の夜、頭痛と吐き気の症状を訴え救急車で病院に行ったことがありました。病院では「熱中症」と診断され、点滴を受けました。帽子を被っていた他の家族は何でもなかったので、帽子1つで、違いがあったようです。

知らないということは、怖いことですね。そこで、熱中症について記事にまとめておくことにしました。

今年は愛知県、東京都、埼玉県で多い熱中症(平成23年5月30日~7月24日):総務省 消防庁発表資料

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5月30日~7月17日までの搬送者の全国の年齢の内訳では、65歳以上が9,952人、18歳~65歳未満が7,754人、7歳~17歳が2,577人、乳幼児が245人です。

頭痛と吐き気があったら病院へ

傷病程度の内訳は、軽症が12,211人、中等症が6,885人、重症が526人、死亡が38人です。以下は、症状の分類(重症度)と主な症状です。

分類(重症度)

症状

Ⅰ度

現場での応急処置で

対応できる軽症

めまい・失神

「立ちくらみ」という状態で、脳への血流が瞬間的に不充分になったことを示し、 "熱失神"と呼ぶこともあります。

筋肉痛・筋肉の硬直

筋肉の「こむら返り」のことで、その部分の痛みを伴います。発汗に伴う塩分

(ナトリウムなど)の欠乏により生じます。これを"熱痙攣"と呼びます。

大量の発汗

Ⅱ度

病院への搬送を

必要とする中等症

頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感

体がぐったりする、力が入らないなどがあり、従来から"熱疲労""熱疲弊"と言われていた状態です。

Ⅲ度

入院して集中治療の必要性のある重症

意識障害・痙攣・手足の運動障害

よびかけや刺激への反応がおかしい、体にガクガクとひきつけがある、

真直ぐ 走れない・歩けないなど

高体温

体に触ると熱いという感触です。従来から"熱射病"や"重度の日射病"と

言われていたものがこれに相当します。

ご存知ですか?「熱中症予報(熱中症指数)」

熱中症は、「高い気温」、「高い湿度」、「風が弱い」、「日差しが強い」、「気温差(前日からの急激な上昇)」といった気象条件で発症しやすいようです。そこで、各地域の気象条件を元に指数化しているのが"熱中症指数"。熱中症指数は、天気予報を表示しているサイトで確認できます。

日本気象協会の熱中症予防情報のホームページでは、熱中症指数を、ペットボトルで表記しています。日本気象協会 熱中症予防情報:http://tenki.jp/indexes/heat_syndrome/

日本気象協会以外では、Yahoo!の天気情報に熱中症指数が表示されており、熱中症以外にも、ビール、アイスクリーム、イオン飲料の項目で表示され、それぞれの売れ行き予測もされています。http://weather.yahoo.co.jp/weather/jp/expo/heatsyndrome/

どちらのサイトにも出てくる、「危険」、「厳重警戒」、「警戒」、「注意」の表記は、WBGT(湿球黒球温度:人体の熱収支に影響の大きい湿度、輻射熱、気温の3つを取り入れた指標)を元にしています。そして、WBGT値に影響しやすい気温を参考基準に、日常的な生活と運動時の目安となる指針が出ています。

気温(参考)

:危険度

日常生活指針

運動時の指針

35℃以上:運動は原則中止

 

皮膚温より気温の方が高くなり、体から熱を逃すことができない。特別の場合以外は運動は中止

31℃~35℃

:危険

高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。

熱中症の危険が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運用は避ける。運動する場合には、積極的に休憩をとり、水分補給を行う。

体力の低い者、暑さに慣れていないものは運動中止。

28℃~31℃

:厳重警戒

外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。

熱中症の危険が増すので、積極的に休息をとり水分を補給する。激しい運動では、30分おきくらいに休息する。

25℃~28℃

:警戒

運動や著しい作業をする際は定期的に十分に休息を取り入れる。

熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水を飲むようにする。

24℃まで

:注意

一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。

通常は熱中症の危険性は小さいが、適宜水分の補給は必要である。市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意。

(表:日常生活指針「日本生気象学会(2008)日常生活における熱中症予防指針Ver.1より引用。運動時の指針「日本体育協会」より引用)

その日の熱中症の危険度を知っておくと、対策がしやすいですね。

なお、夏休みで海外に行かれる方は、現地の気温は要チェックです。内陸部で35℃前後の気温の地域が多くなっています。飲料が手に入りやすい地域かどうか、手に入れられる場所はどこか、医療機関なども、事前チェックが安心です。

熱中症にならないためには?

まずは基本的な生活習慣が大事とのこと。

服装:通気性の良い洋服を着る。日傘、帽子で日差しを防ぐ。

健康管理:十分な睡眠。朝食をとる。1時間に1回コップに1杯程度の水分補給。利尿作用のある飲料(コーヒー、紅茶、お茶、アルコール類)、糖分の多い飲料の多量摂取は控える。休憩や休息。発汗量が多い時は、0.1%~0.2%の食塩水か、ナトリウムの入ったスポーツドリンクなどを30分に1度、コップに1杯~2杯程度摂取する。血流をよくするために、屋内で軽度の運動。※糖尿病、高血圧症、心疾患、腎不全、精神・神経系疾患、皮膚疾患がある時は、医師の指示に従います。

日常活動:日陰を歩く、日差しの強い時間帯(14時~16時)の長時間の活動を避ける。緊急時の連絡先などを確認しておく。

「熱中症?」という時の応急処置

・涼しい場所へ移動し、衣服を緩め、安静に寝かせる。

・エアコンをつける、扇風機・うちわなどで風をあて、体を冷やす。

・脇の下・太もものつけねなどを冷やす。

・飲めるようであれば、水分を少しずつ頻回に取らせる。

注!:自分で水が飲めない、動けない、意識がない、全身のけいれんの症状がある時は、ためらわずに救急車を呼びます

消防庁「熱中症対策リーフレット」:http://www.fdma.go.jp/html/data/tuchi2306/pdf/230614-1.pdf

職場で簡単に取り組めること

屋内で仕事をしている人は、それほど心配は要らないと思います。しかし、空調の効いた部屋から高温の室外への移動、空調で奪われる水分、放射線や地震への心配、それ以外の心理的ストレスがある時、暑さからの睡眠不足など、無意識のうちに熱中症になりやすい環境におかれているようです。なので、できる範囲で対策を行うことはもちろんのこと、すぐに取り組めることとして、水分補給のためのこまめな休憩や軽度の運動が有効のようです。

この記事をお読みのあなたが、職場の環境改善にあたることができる立場であれば、周囲の方のこまめな休憩や軽度の運動への配慮など、して差し上げてくださいね♪ 

(参考)

 総務省 消防庁:熱中症情報 http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList9_2.html 

 環境省:熱中症環境保健マニュアルページ http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual.htm

 日本生気象学会:http://www.med.shimane-u.ac.jp/assoc-jpnbiomet/index.html

 日本体育協会:http://www.japan-sports.or.jp/medicine/guidebook1-2.html

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