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2005/10/14

CEOやCIOが果たす役割

 昨日は、ITの専門家といえども、経営的視点に立ち、生産性の改善や利益の増加などに直接貢献すべきだと書きましたが、経営的視点からITを引っ張っていくCEOなくして、現場にだけ「経営者として考えろ」と言ってもそれは酷だし、難しいですね。

 CIOの役割とは何なのか? そういうことをCEOや社長がきちんと理解していなければなりません。

 CEOや社長が、「ITってよく分からないなぁ、CIOって何だ? ITはXX社に任せてるんだろ。幾ら支払ってる? 年間15億円? それはひどい、少し安くしてもらおう」といった認識ではダメなんです。

 CEOは何もCIOである必要はありません。CIOがどういう役割を果たすのかを理解して、きちんと指名すればいいのです。社内に適任者がいないのであれば、社外に求めればいいのです。

 営業1人当たりの売り上げが低く、非効率なところがたくさんあるという課題を抱えていた場合、経営トップであるCEOは、「ITの力で生産性を2倍に引き上げられないか」とCIOに対して経営のイニシアチブ、つまり戦略的重点項目を示し、きちんとしたシステム構築のプラン策定を求めます。

 CIOはシステム部門に戻り、経営上の課題を示し、達成したいことを示し、それが可能となる新しいシステム構築に取り組みます。CIOは、現場に入って腕まくりして、「これが経営の方針だ。俺たちシステム部門もこれを実現していこう」と鼓舞していく必要があります。

 こうしたCIOの存在なしに、あるいはやり取りなしに、CEOや社長が「よく分からないが、とにかく15億円を半分にしろ」と言っても現場は困るでしょうし、戦略的な動きも取れないでしょう。

 現場でも変革はできますが、戦略的な、あるいは長期的なビジョンに基づいた変革は、トップが行うべきものです。また、ITの専門家たちが経営的な視点に立ち、主体的に変革していくには、このように経営トップが率先して彼らのマインドを変革していく必要があります。単に「この経営の本を読んでおけ」と言うだけでは、彼らのマインドはなかなか変わらないでしょう。

 デルでも幾つものITプロジェクトが進行していますが、きちんとビジネスプランを策定し、あるアプリケーションへの投資によって生産性がどれだけ改善されるのか、どれだけビジネスを成長させることができるのか、といった数字を示すことが求められています。今まではできなかったマーケティングが可能になることもあるでしょう。物流の管理がうまくできるようになり、リードタイムが短縮し、在庫を減らすこともあるでしょう。そして、さらに重要なことに、結果的にお客様の生産性向上に貢献できることが多いのです。

 こうしたビジネスプランをITのプロジェクトごとにきちんと策定し、その結果として財務諸表上、例えば、売り上げを何億円引き上げられる、コストが幾ら削減できる、ということを示します。そうする中でITの専門家たちの経営的センスも養われていくはずです。

 もちろん、最後はCEOや社長が判断を下すのですから、やはりトップがきちんと理解していないといけません。CIOをきちんと設置し、ITプロジェクトごとのビジネスプランを評価して判断するのは、どちらもCEOや社長の仕事なのです。

hiroshi hamada

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