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「プロフェッショナル人生論」はパーソナルライフ・ポートフォリオ・マトリクスのすすめ

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ハーバード・ビジネス・レビュー2011年3月号書評の第2弾は、クレイトン M クリンステンセン教授の「プロフェッショナル人生論」をご紹介したい。

この教授、戦略論において有名な「イノベ-ション・ジレンマ」の提唱者でもある。

その彼が、講座の最終回に、以下の三つの質問をするそうである。
1) どうしたら幸せなキャリアを歩めるか
2) どうしたら、伴侶や家族との絆を幸福の源にできるか
3) どうしたら犯罪者にならずに済むか

で、結論としては、「企業戦略論を自分戦略に応用してみなさい」というのがメッセージであるそうだ。

ただし、ここでのポイントは、

  • 乾いた企業戦略論で扱われるキャッシュインカムだけにとらわれると、人生を見失う。
  • したがって、多様な要素を入れた「自分にとっての個人幸福度」で見るポートフォリオ・マトリックスを書いてみる

ということだそうだ。

基本はポートフォリオ・マトリクスなので

  • 縦軸=成長率: Urgency、スピード感。流行の可能性
  • 横軸=相対シェア。自分の強み・持ちネタの豊富さ、自信の強さ

ということにでもなるだろう。

で、市場規模に該当する「円の大きさ」が、「個人的な満足度」ということになる。
そこには、金銭欲、名誉欲など様々な要素が入り込むであろうし、その構成要素も自分自身の人生におけるライフステージによって変化するだろう。
だからこそ、折に触れて、このポートフォリオ・マトリクスを書き直してみることが重要なのだ。

20-30歳代であれば「経験蓄積になるチャンス」が収入よりも高優先度になったり、40-50歳になると、ある程度の収入を前提として「地位、役職」などの名誉欲的な要素が高まってくるかもしれない。
そんなものをザクっと取り込んで、エイ・ヤーと思い切った「満足度の大きさ」をポートフォリオ図に図示してみることが重要なのである。
迷わずに、書いてしまうこと。絵にすると目に見えるので、比較がしやすい。大事なのは、比較して何の優先度がどのくらい高いか低いかを自問自答して意思決定することなのである。

で、自分の場合に当てはまると、こんな感じの絵になった。

Personal_life_portfolio_2

  • 問題児=スマフォ系ガジェット、投資術
  • 負け犬=ゴルフ、テニス、
  • キャッシュ・カウ = ITビジネス(特にソフトウェア)、マクロ経済分析
  • スター= グローバル化、イクメン、クラウド、組織論、

1年前に本ブログを始めるテーマを考える時にも、実は同じようなポートフォリオを意識していた。

特に、「書くほうも読む方も、なんで自分のブログをわざわざ、、」ということを考えると、他のブロガーの方々との相対的な強み・弱みを考えた差別化ポイントが重要だった。

やはり、差別化というのは生きていくうえで重要なポイントであると実感する。
一方、差別化だけだとニッチにはまってメジャーになれないリスクがある。そこをカバーするのが、技術や流行を先読みする「先見性、予測力」なのだろう。

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