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フリーターがフリーターの実態を赤裸々につづります。過去働いたことのある職場を非正規雇用の立場で、法に触れない程度で自由に暴露していきたいと思います。

【後編】公立小学校でプログラミング教育!?―3単位時間で論理的な思考が身につくkintoneの新教材!―

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後編ロゴ.png

こんにちは。葉月へちまです。

前編に引き続き、

埼玉県坂戸市立南小学校の「プログラミング教育」の様子をお伝えします。

○授業実践

後半②カリキュラム前半.png

前回は「STEP1:調査せよ」の様子をお伝えしましたよね?

後半④様子.jpg

タブレットを巧みに使いこなし、

チームで協力しながらクラスメイトの使っているアイテムを調査、

kintoneにデータを集積していました。

今回はその続き。STEP2以降をみていきましょう。

後半③カリキュラム後半.png

【STEP2:分析せよ】

調査のあとは、kintoneをみながら、調査結果をワークシートにまとめていきます。

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まずはデータを眺めてどんな特徴があるのか話し合い。

どんなアイテムを持っていた? キャラクター物なのか無地なのか。
どんな子が持っていた? 男の子なのか女の子なのか。
使っている期間は? 短くてすぐ替えちゃうものかお古でずっと使っているものか。

などなど。気づいたことをどんどん書き出していきます。

これだけでも十分分析ができているように思えますが......。


でもkintoneでできるのはデータの蓄積と共有だけではないのです!

後編⑥グラフ.png

kintoneは集めた情報をグラフの形で表示することができますが、今回みんなには「クロス集計表」を作ってもらいました。


「クロス集計」とは、二つの項目に注目して分析を行うデータ分析の一つです。

s後半⑦クロス集計表.png

たとえば上の写真のように、

「使用期間」と「持ち主の好きな教科」という一見全く関係のない調査項目でも、

組み合わせることで意外な分析結果が見えてくることがあります。

この「クロス集計」がkintoneによる「プログラミング教育」の一番の肝なのです!

なぜかというと「クロス集計」を作る時、

子どもたちは多くの質問の中から2つもしくは3つの要素を選ぶ必要があり、

ここで「プログラミング教育」の目的の一つ、

「論理的な手順を踏む能力」が育まれるからです。

それだけではありません!

グループのみんなと話し合って児童自ら現実の仮説を考えることで、

「新たな情報を作り出す創造力」が、

うまく結果がでなかった時に試行錯誤することで

「問題を解決していく力」が、

「クロス集計」を通じて身につくのです。

本格的なデータ分析を小学生でも難なく行うことができ、

社会へ出た時に求められる能力が自然と身につく。

kintoneを使った「プログラミング教育」教材は、

まさに革新的な教材といえるのではないでしょうか。

【STEP3:発表せよ】

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最後はチームごとに前へ出て、分析した結果を発表してもらいました。

「体育が好きな子は汗を拭いやすいようタオルハンカチを持っている子が多い」

「女の子は流行に合わせてペンや筆箱を替えるので使用期間が短い」

といったユニークな調査結果が聞けて、とても面白かったです。

扱い慣れていないタブレットの操作に始まり、

インタビュー調査・傾向分析・発表、と要素がぎゅっと詰め込まれていて、

大人の私たちでも大変そう......と思ってしまいましたが、

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「楽しかったですか?」の問いに、みんな笑顔で手を上げてくれました。

「タブレットを使うって、なんだか社会人になったみたい」

という感想が出たところで、龍太さんが

「まさにその通り!」

と、以前私も取材させていただいたワインツーリズムの事例をご紹介し、

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「皆さんが行ったことは、これから先、大人になってからも活きることなんです!」

とまとめられました。

私も事務の副業の中で営業成績の数値管理やアンケートで売れ行きの傾向分析など

行うことがあります。

坂戸市立南小学校のみんなが体験したことを、

大人の私たちも仕事の中でしているんですね。


○授業実践を振り返って

今回は短い時間での実践ということもあり行えなかったのですが、

kintoneを使った「プログラミング教育」では最後、

児童のみなさんにアンケートをとることもカリキュラムに組まれています。

アンケート1.png

このアンケートは、あくまで「プログラミング教育」の成果を確認するためのもの。

決して児童を評価するためのものではありません。

kintoneを使った「プログラミング教育」の目的は、

まず第一に児童に楽しんでもらうことです。


そして

「命令どおりにしか動けないコンピュータ・タブレットを、

論理的な手順で操作するスキルを身につけ、

仲間と協力して情報を収集・共有・分析してシミュレーションをすることを通じ、

新たな情報を児童自ら創造できるように導くこと」

まさに文部科学省の説明する「プログラミング的思考」を育むための教材なのです!

今回ご協力頂いたのは公立の小学校ですから、

学校の偏差値や生活環境で差が開いてしまう内容でないということも魅力的です。

教育と探求社の福島創太さんからは、

「まだまだ改善は必要です。しかし細かい指導ガイドとなっているので、

タブレットやIT機器操作に慣れていない先生方もすぐ実践できると思いますよ」

同じく、教育と探求社の小柳佑衣子さんからは、

「私たち「教育と探求社」は感動体験の先に学びがあると考えています。

楽しかった! という経験が子どもたちの次の学びに繋がるんです」

と、はじめて「プログラミング教育」を行う先生たちや児童のことを第一に考えた、

熱いコメントが頂けて、今後の改良にも期待で胸膨らむ取材になりました!

次のkintone取材記事はこちら。

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