オルタナティブ・ブログ > 教えること、教えられること >

教育のこと、会社組織のことなどを日常の出来事から考えていきたいと思います

顧客の視点

»

正午過ぎに郵便局へ行った。
正月明けで利用客もまばら。配当金受け取りの用事だったのでゆうちょ銀行の「税金・振込み」窓口へむかった。
待ち客が座っているのを見て、混んでいることがわかった。しかもこの窓口だけだ。整理券を取って皆と同じくシートに座って待つことにした。私の前には3名、人が待っているらしい。だがしばらく待っても誰も呼ばれる気配がない。周囲にはお客を受け付けていない窓口があと3つ用意されている。こちらは貯蓄や保険の相談窓口となっていて、利用客はほとんどないといってもいいぐらいだ。
窓口のほか、バックヤードに目をやった。こちらの従業員も大人数なのが目立つ。窓口担当の後ろに若手社員がただ立って業務を見ている姿も目に留まった。だんだんイライラしてきた。全員が忙しくそれぞれの作業に追われているのなら大人しく待っていられるものの、明らかに自分達の窓口以外に客がいないのだ。
ひとつひとつの作業が緩慢にも見えてくる。こっちはずっと待っているのに。この状況は明らかにバランスが取れていないといえよう。

会社側としては、税金振込みの代行業はうまみの少ない業務だろうから、そこに多くの人は割けないという論理が働いているのであろうが、はっきり言ってこれは会社側の勝手な都合であって、利用客は支払いの義務があるから窓口まで出向いてきているのである。好んで整理券まで取って待っているのではない。

この状況での解決策はシンプルで、混雑した窓口があるなら、そのときだけ窓口をもう一つあけさえすればいい。ひとりあたりどれだけ待たされているかを考えれば、それぐらいの機転はきかせられるはずだ。その行動に移せない理由を推測すると、

  • 運用マニュアルの弊害 - 待ち人数が5名になったら窓口を2つにしてもよい など
  • 命令形態の複雑化 - 責任者の判断や承認を必要とする場合、即担当者が行動にうつせない
  • ぬるま湯状態 - 「年末の大混雑に比べたら今日なんてマシよ・・」的な、日常化したことで感覚が鈍ってしまっている

あまりにも待たされる時間が長かったので、観察する眼も鋭く、広範囲になってしまった。

本来ならばこういう状況で、会社はどうすればよいのだろうか。

年に一度の顧客アンケートでは、このような細部までは十分な情報を得ることができない。なぜならば利用客は用が済んだら、そのときの感情は失せるからだ。だが同じ場面にまた遭遇したら、「またか・・」と前回の感情が再燃する。そして細部までは覚えていないにしてもその企業やブランドのイメージが落ちていくことになる。

アンケートでお客の声を聴く場合、
実施する頻度、質問の内容、対象者などについてもよく考えるべきだ。さらに、そのアンケートは何のために実施し、サービスにはどのように反映させるか、を事前に決めて実行する必要もある。(よくアンケートを取って満足するケースが見られる。)さらには、継続的に実施することを想定して、質問は極力普遍的な内容にすべきだ。これによって、傾向が鮮明にみえてくる。

どのようなサービスがお客の満足を上げられるのかは、上司の指示や業界にならっているだけでは得られない。顧客に聞くに限るのである。

今年は顧客満足について、視野を広げてみていきたい。

しばらくさぼっておりましたが、心を入れかえてまいりたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

Comment(2)