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デジタルとアナログの間を行ったり来たり

美術館でポッドキャストなんてどう

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 先週末、上野の東京都美術館のプーシキン美術館展に出掛けた。新聞屋から招待券をもらえたからだ。日曜日で混雑が予想できたが、有効期限が迫っていたため足を運んだ。

 やはり予想通り混んでいた。入場制限をしていたにもかかわらず、激コミ。どことなく熱気も感じるが……。人ごみと厚着で気のせいということにしておこう。本当に温度が上昇しているなら絵画にまずい。どの季節でも美術館で「暑い」なんてことはあってはならないのだ。

 それにしても。背の低い筆者には絵画はまるでアタック25の最後に出るクイズのように一部しか見えない。

「さあ、この絵画の作者は誰でしょう?」
「ルノワール!」
「おめでとうございます!!パリ旅行です!」

 ……なんて。作者あてクイズをしたくなるくらい。いぜんとして人ごみは減りそうにない。「招待券だから」とほぼあきらめ、会場を早足で通り過ぎた。平日に都合を付けてくればよかったと後悔しきり。

 ところで、よく美術館では解説を録音した機械を貸し出してくれる。たしか六本木ヒルズの森美術館はiPodを使っていたような気がするが、たいていの美術館は小学生の筆箱くらいの大きさの機械だ。今回は混雑でまじめに観賞できないと想像したので音声ガイドを借りるのはあきらめたのだが、ふと同行していた人が思いついた。

「あの解説の機械、ポッドキャストでやるといいかも」

 美術館のサイトで音声ガイドをポッドキャストで配布するのはどうかという提案だった。ユーザーがiPodなどを持っていて事前にダウンロードするなら無料もしくは割引にするとか。ユーザーは機械を借りる手間も省けるし、操作は楽だし、安いなら利用するだろうし、解説が聞ければ絵画の知識も増すし、観賞はより有意義となるだろう。

 美術館にしてみれば来館者増加も期待できるかもしれない。「解説を聞いたらなんだか行ってみたくなった」なんて人も出てくるかも。ポッドキャストのコンテンツとチケットを抱き合わせにして販売するなんてのもいいかもしれない。

 なんて絵画などそっちのけでポッドキャスト有効活用談義をしながら歩いていたら展示は終わってしまった。ミュージアムショップもコミコミ。絵がまるで鑑賞できず無念なのでカタログを購入した。

「わー、嬉しい。これなら絵が全部見えるよ。……って、うっ(涙)」

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