専門的な情報を、立場の違う人に「分かるように説明する」のは難しいものです。このブログは「技術屋が説明書や提案書を分かりやすく書く」ために役に立つ情報をお届けします。

「フレームワーク+事例+結論」を整理する

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外国語の相互学習サイトで、日本語を学習中の外国人から、ある質問が出ました。
その質問に対して私が1つ回答をしたのですが、その答え方を「わかりやすい説明」の観点で分析してみましょう。(質問内容と回答は後述)

【分析】

まず第一に、「フレームワーク」を示します。
「推定」「伝聞」という2つの用法があるよ、ということを示すのがこの部分です。

最初にいきなりフレームワークを示すと理屈っぽくなってイメージがわきにくい場合もあるので、複雑な話のときは事例を出してからそれをフレームワークで整理する、というパターンをとることもありますが、今回は単純な話なのでいきなりフレームワークを出しています。

その上で、いくつかの簡単な例を出します。
その例には(1)~(6)と番号をつけて、補足説明を事例と関連づけやすいようにしておきます。
また、ひとつひとつの違いを比較しやすいようにインデントを合わせて書いておきます。

そして最後に結論 ("「らしい」と「そうだ」のどちらも、推定と伝聞の両方に使えます" という部分) を書きます。この結論は最初にも書いてあるので、最初と最後で二重に印象づけるわけです。

また、「両方に使える」という、結論の「」に当たる部分と、「ただし・・」以下のちょっとした違い、「枝葉」に当たる部分を区別しておくのもポイントですね。

以上、こうした「フレームワーク、事例、結論(幹+枝葉)」を整理して書くのが、わかりやすい説明のための1つの手法なのです。

とはいえ、もっと複雑な話になると「フレームワークを見つける」のは自力で見つけるのはなかなか難しいものです。自分でやってみてうまくいかない場合には、こんな機会もありますので、どうぞご参加ください。
  → 理屈をわかってもらうための書き方と話し方を工夫する会(2/12)

↓それでは、以下、質問内容と回答です。


【質問】

「~らしい」と「~そうだ」では、何が違いますか?
たとえば、「そろそろ雨が降るそうだ」「そろそろ雨が降るらしい」では何か違いがありますか?

【回答】

どちらも、推定または伝聞を表す表現です。

「推定」は自分で判断すること、
「伝聞」は人から聞いたこと。

で、「らしい」と「そうだ」のどちらも、推定と伝聞の両方に使えます。

「そろそろ雨が降るそうだ」 →(1)天気予報など、他人の判断を聞いた場合(伝聞)の表現。
「そろそろ雨が降りそうだ」 →(2)空の様子を見て自分で推定した場合の表現。

「そろそろ雨が降るらしい」 →(3)これも伝聞で、(1)と同じ意味。
「そろそろ雨が降りらしい」 →(4)これは間違いで、こういう表現は使いません。

(2)と(4)の違いに注意してください。「らしい」は未来への推定には使いません。

逆に、過去の推定については「らしい」を使います。

「昨夜は雨が降ったそうだ」 →(5)「雨が降った」ということを誰かから聞いた伝聞の表現。
「昨夜は雨が降ったらしい」 →(6)これは伝聞と推定の両方の場合があります。

(6) について、たとえば

・朝起きた時に誰かから「昨夜、雨が降った」と聞いたとき。
・朝起きて外を見たら濡れていたので、「雨が降ったのだろう」と自分で推定した。

のどちらの場合にでも使えます。

したがって、「らしい」と「そうだ」のどちらも、推定と伝聞の両方に使えます。

ただし、「そうだ」は基本的に未来への推定、「らしい」は過去についての推定です。

といっても、実際には会話の中では厳密に区別されずに使われている場合も多いです。

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