AIネットワーク化が社会・経済にもたらす 影響とリスクの評価について
総務省は2016年12月15日、「AIネットワーク社会推進会議 第2回」を開催し、 「AI開発ガイドライン」(仮称)の策定に向けた論点整理と、AIネットワーク化が社会・経済にもたらす影響とリスクの評価に関する検討の状況を公表しました。
今回は、AIネットワーク化が社会・経済にもたらす影響とリスクの評価に関する検討の状況について、少し紹介したいと思います。
AIネットワーク化の影響・リスクの評価の枠組み(案)は以下のとおりとなっています。
影響評価及びリスク評価の対象とする具体的な利活用の場面(ユース・ケース)の候補としては、先行的評価としては、内閣府「人工知能と人間社会に関する懇談会」及びCOCNが掲げるユース・ケース、構成員が提供するユース・ケース、事務局が提供するユース・ケースの対応を行うとしています。
また、分野別評価では、AIネットワークシステムを利活用する分野の構成について、利用者の視点から区分した上で (ユーザー・セントリック・アプローチ)、当該分野ごとに構成員が提供するユース・ケース及び事務局が提供するユース・ケースの対応を行っていくとしています。
先行的評価及び分野別評価の双方においては、具体的な利活用の場面を想定したシナリオを作成していくとしています。
リスク評価では、先行的評価及び分野別評価の双方ともに、具体的な利活用の場面を想定したシナリオを作成し、当該シナリオに基づき、リスクの類型・種類、利活用の場面に即して想定される(第一次的な)リスクの内容などの要素から構成されるリスク・シナリオ分析を行っていくとしています。
出所:総務省 AIネットワーク社会推進会議 第2回 2016.12
AI相互間のネットワークが形成された社会・経済にもたらす影響とリスクの評価のイメージは、 災害対応に関するユース・ケース を紹介しています。各ステークホルダーが利活用するAIネットワークシステムが連携し、時々刻々と変化する状況に即応してAIネットワークシステム相互間で自動調整がなされることにより、避難、救助、支援等の最適化が実現していくとしています。
出所:総務省 AIネットワーク社会推進会議 第2回 2016.12
連携後シナリオのポジティブインパクトでは、AI相互間のネットワークが形成され、利用者の便益が飛躍的に増大するとし、利用者が享受する便益社会的なメリットなどを掲載しています。
出所:総務省 AIネットワーク社会推進会議 第2回 2016.12
一方でリスク評価としては、プライバシー・個人情報に関するリスク、事故のリスクなどが掲載されています。
出所:総務省 AIネットワーク社会推進会議 第2回 2016.12