オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議 最終まとめ(案) について

»

文部科学省は2016年11月30日、『「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議(第10回)』を開催し、『「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議 最終まとめ(案)』を公表しました。

目次は以下のとおりとなっています。

スクリーンショット 2016-12-12 9.24.10.png

Ⅱ.デジタル教科書に関する基本的な考え方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
1.教育の情報化の推進について
2.現行制度における教科書の意義及び位置付けについて
(デジタル教科書の位置付けに関する検討の視点)
3.学びの充実のためのデジタル教科書の導入の在り方について
(デジタル教科書の内容・範囲)
(デジタル教科書の使用による効果・影響との関係)
(デジタル教科書の使用形態)
(多様な学習ニーズへの対応)
(中長期的な検討の視点)
4.使用形態を踏まえたデジタル教科書の在り方について
(教科書検定制度との関係)
(学習内容の特性への配慮)
(教科書無償給与制度との関係)
(導入時期)
Ⅲ.デジタル教科書の導入に伴う関係制度の方向性 ・・・・・・・・・・・・・・15
(教科書採択、教材選定)
(供給方法)
(定価・価格)
(障害のある児童生徒に対する配慮)
(著作・編集等に係る著作権の権利制限の在り方)
Ⅳ.デジタル教科書を取り巻く環境の整備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
(デジタル教科書の使用に当たって求められる ICT 環境の整備)
(デジタル教科書の効果的な使用のための条件整備)

デジタル教科書の内容・範囲は以下のように定義しています。

○ 教科書は、使用義務が課されていることがその位置付けの中核にあると捉え、基 礎的・基本的な教育内容の履修を保障するという目的を果たすために、原則として その内容の全てについて学習する必要があること、そして、その質を担保するため に検定が行われていることに鑑みれば、紙の教科書とデジタル教科書の学習内容 (コンテンツ)は同一であることが必要である。この点、教育委員会や学校関係者 等からも、紙の教科書とデジタル教科書の学習内容は同一とし、使用義務が課され る教科書の内容は必要最低限とすべきという意見が数多くあった。

○ また、紙の教科書とデジタル教科書の関係については、同一の学習内容を紙面に 掲載するか電磁的記録として記録するかの違いであると捉え、その内容を示すコン テンツ部分のみをデジタル教科書の構成要素とすることが適当である。

○ なお、教科書発行者の判断により、デジタル教科書の内容のうち一部の単元等を 抜粋して抜き出したものをデジタル教材として制作・販売することについては差し 支えないものの、その際には、教科書が、学習指導要領に定める学習内容の全てを 網羅し、異なる単元等の間における関連性にも配慮して体系的に構成されており、 その一部のみの使用によっては本来の役割を果たせないおそれがあることも踏ま えた上で、あくまでもデジタル教科書ではない補助教材としての取扱いにとどめる ことが必要である。

デジタル教科書の使用形態は以下のとおりとしています。

○ 教科書の使用により基礎的・基本的な教育内容の履修を保障する必要がある一方で、デジタル教科書の使用による客観的・定量的な検証を行うことが制度上困難であることを踏まえると、デジタル教科書の導入に当たっては、基本的には、紙の教科書を基本にしながら、デジタル教科書を併用することとし、紙の教科書により、基礎的・基本的な教育内容の履修を確実に担保した上で、部分的に、デジタル教科書を使用することが適当である。

中長期的な検討の視点では以下の点が記載されています。

紙の教科書とデジタル教科書のいずれかを選択して使用する選 択制の仕組みについては、次期学習指導要領の実施状況や社会全体の情報化の流れとともに、学校の ICT 環境の整備状況、今後の技術革新等も勘案しつつ中長期的に検討していくことが適当である。

デジタル教材の制作主体や供給方法、定価・価格なども記載されています。

Comment(0)