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金融庁におけるフィンテックに関する取組み

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政府は2016年11月9日、「未来投資会議構造改革徹底推進会合 「第4次産業革命(Society5.0)・イノベーション」会合 (第4次産業革命)(第2回)」を開催しました。

本会議では、金融庁におけるフィンテックに関する取組みについて、発表していますので、そのポイントをご紹介したいと思います。

金融庁では、情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部改正の取り組みを進めています。

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出所:第2回 未来投資会議構造改革徹底推進会合 2016.11.9

「平成27事務年度 金融行政方針」を踏まえ、FinTech(金融・IT融合の動き)を活用した動きが広がりつつあることに着目した新たな取組みとして、FinTechに関する一元的な相談・情報交換窓口 「FinTechサポートデスク」 を設置しています。

「FinTechサポートデスク」では、FinTechをはじめとした様々なイノベーションを伴う新たな事業分野を対象に、具体的な事業・事業計画等に関連する事項をはじめとした様々な点について、幅広く金融面等に関する相談を受付などを実施しています。

「FinTechサポートデスク」では、平均では一月当たり13件の問合せが寄せられていますが、問合せ総数91件の内、法令解釈に係る具体的な相談が8割弱(70件)となっています。

金融庁では、フィンテックの動きが進展する中で決済業務等の高度化に向けた取組みを継続的に進めるため、官民連携してフォロー・意見交換することを目的として、「決済高度化官民推進会議」を設置しています。

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出所:第2回 未来投資会議構造改革徹底推進会合 2016.11.9

決済高度化にあたって、リテール分野、ホールセール分野など以下のとおりアクションプランを示しています。

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出所:第2回 未来投資会議構造改革徹底推進会合 2016.11.9

また、政府では、オープンAPIへの取り組みも進められています。オープン・イノベーションの観点から、FinTech企業等が、銀行等のシステムをプラットフォームとして活用し、その上で多様なサービスを開発・提供できるようにしていくことが重要との指摘があり、海外では、銀行等のシステムのAPIを公開する取組み(オープンAPI)が進められています。

日本においては、情報セキュリティの確保の観点等も踏まえつつ、検討を進めるため、金融庁と連携の下、全銀協(全国銀行協会)において、 FinTech企業等を含む幅広いメンバーが参加した「オープンAPIのあり方に関する検討会」を設置(2016年10月)しています。

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出所:第2回 未来投資会議構造改革徹底推進会合 2016.11.9

また、「FinTechエコシステム」の実現に向けた方策を検討するとともに、こうした動きが金融業に与える影響等について議論することを目的として、「フィンテック・ベンチャーに関する有識者会議」を設置しています。

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出所:第2回 未来投資会議構造改革徹底推進会合 2016.11.9


FinTechの更なる進展等に対応して、制度面での見直しの必要性が新たに生じた場合には、機動的に検討を行っていく必要があり、金融審に、金融グループWG・決済高度化WGに代えて、金融制度WGを設置し、7月28日に審議を開始しています。

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出所:第2回 未来投資会議構造改革徹底推進会合 2016.11.9

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