人材育成におけるプログラミング教育の位置付けについて
政府のIT総合戦略本部の新戦略推進専門調査会分科会は2016年4月27日、若年層に対するプログラミング教育に関して、有識者へのヒアリングと、調査機関によるプログラミング教育関係団体(民間教育事業者、NPO法人、財団法人等)を中心に調査を行いました。プログラミング教育の位置づけ、年代別に見たプログラミング教育のポイント、現状と課題に関し、とりまとめとして「人材育成におけるプログラミング教育の位置付け等に係る調査報告書」を公表しました。
背景および目的では、全てのモノがIT化され、人工知能(AI)が普及し、日本の労働人口の約半分がAIやロボットで代替可能になることが予測される中で、今後の高度なIT利活用社会(第4次産業革命、超スマート社会)では、人々には求められる能力は変化していくとし、プログラミング教育の位置づけ・役割と、現状の課題・今後の方向を検討し、ヒアリング調査等を実施しています。
出所:IT総合戦略本部 新戦略推進専門調査会分科会 人材育成におけるプログラミング教育の位置付け等に係る調査報告書 2016.4.27
ヒアリングの結果、若年層に対するプログラミング教育の重要性があるし、高度なIT利活用社会における基礎スキルの醸成や、今後の社会に必要な「論理力」と「思考力」の醸成、そして、高度IT利活用人材の育成基盤の構築をしていくことの方向感を示しています。
年代別に見たプログラミング教育のポイントでは、小学校低学年では、ビジュアル的に論理力の基礎を身につけ、小学校高学年では推論を検証していく過程で論理力を身につけ、思考力および論理力に加え課題を解決する力をみにつけるとしています。
出所:IT総合戦略本部 新戦略推進専門調査会分科会 人材育成におけるプログラミング教育の位置付け等に係る調査報告書 2016.4.27
今後の方針として、以下の3つを示しています。
(1)調査結果を踏まえた各省のプログラミング関連施策を含む人材育成施策の推進
(2)関係省庁と連携し、地方等における効果的な導入支援のサポート
(3)高校生以上を含め、今回調査対象外とした社会人(大人)のIT利活用環境調査
※プログラミングに限らず、労働者や高齢者においてIT利活用を実践するための教育