クラウド技術用語(7)オープンソースのクラウド技術(PaaS編)
PaaSは、IaaSと比べるとサーバーやネットワーク、セキュリティの知識があまり必要なく、開発や運用が容易に実行でき、SaaSよりもWebアプリケーションの改変の自由度の高く、より多くのユーザーが開発環境のプラットフォームとして利用できるのがメリットです。
IaaSレイヤのオープン化およびコモディティ化が進む中、PaaSにおいてもオープンソースのPaaS基盤ソフトウェアが台頭しています。オープンソースのPaaS基盤ソフトウェアは、IaaSとは独立して機能し、AWSやVMware、OpenStackなどの複数のクラウドサービス上で稼働させることができ、IaaSとPaaSとのサービス連携も進んでいます。
また、オープンなWebアプリケーション実行環境の対応し、Ruby、Java、Python、PHPなど複数の開発言語、Ruby on Rails、Spring Framework、Node.jsなどのオープン標準に準じた開発フレームワーク、MySQL、PostgreSQL、MongoDBなどの複数のデータベースに対応しているのが特徴となっています。Dockerイメージ対応など、コンテナへの対応も進んでいます。
利用者は、作業後のアプリケーション実行環境の配置や、データベース構築、冗長化やスケールアウトなどの設計をするなどの構築や運用を意識する必要はありません。
代表的なオープンソースのPaaS基盤ソフトウェアとして、Cloud Foundryとレッドハットが提供するOpenShiftがあげられます。
Cloud Foundryは、VMwareが2011年4月に発表したRubyで実装された複数の開発言語、開発フレームワーク、データベースに対応したオープンソースのPaaS基盤ソフトウェアです。2014年12月より、オープンソースプロジェクトとして推進するために、EMC、HP、IBM、Pivotal、SAP、VMware、NTTなどが中心となり、「Cound Foundry Foundation」を設立し、Cloud Foundryの普及を推進しています。
Cloud Foundryにおいて、コードのポータビリティを保証し、顧客がロックインされないサービスであることを認証プログラム「Cloud Foundry PaaS Certification」も提供することで、複数のクラウドサービス事業者が提供するPaaSを実装したサービス間のポータビリティの確保に向けた取り組みを進めています。