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「IoT/ビッグデータ時代に向けた新たな情報通信政策の在り方」中間答申~「データ立国ニッポン」の羅針盤~

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総務省は2015年12月15日、「IoT/ビッグデータ時代に向けた新たな情報通信政策の在り方」中間答申を公表しました。テーマは「データ立国ニッポン」の羅針盤です。

http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin01_02000180.html

IoT/ビッグデータ/AIの現状と課題では、小売、スマートハウスなどにおけるそれぞれの現状と課題をあげています。

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出所:総務省 IoT/ビッグデータ時代に向けた新たな情報通信政策の在り方 2015.12

IoT/ビッグデータは、各分野に対する大きな経済波及効果が見込まれ、雇用創出効果も期待され、各分野において、既存の産業構造を根底から揺さぶる変革が生じつつあり、日本の産業競争力を左右するとしています。

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出所:総務省 IoT/ビッグデータ時代に向けた新たな情報通信政策の在り方 2015.12

今後の検討の方向性については、

①サービス利用者と提供者の協働・協調が生み出す新たな社会 新たなサービスにより「投資」・「雇用」が生まれ、「人と地域が活性化」する社会。
②世界最高水準のICT基盤を備えた社会 「データ」・「人材」・「インフラ資源」の「3分野で世界一」の社会を目指す。

の2つの方向性を検討していくとしています。

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出所:総務省 IoT/ビッグデータ時代に向けた新たな情報通信政策の在り方 2015.12

総務省では、以下の4つの考え方について示しています。

・IoT/ビッグデータ/AIを支える情報通信インフラ
・IoT/ビッグデータ/AI時代を担う人材
・IoT関連サービスの創出
国際化への対応について

IoT/ビッグデータ/AIを支える情報通信インフラの考え方としては、

IoT/ビッグデータを支える新たなインフラとして、効率化・最適化による新たなネットワーク制御を実現するため、SDN/SDx/NFVの普及促進に向けた取組を強化していくべきである。我が国の成長機会を実現するために、国内の関連事業者の抜本的な競争力強化に向けて、具体的な支援策(投資促進策)を講じていくべきである。

ネットワーク全体の最適化を実現するため、関係者の間で、データの振れ幅や制御を行う要素等、新たなネットワークの標準設計を共有し、関連機器等の標準化を進めていくことが必要である。

ユーザ企業の利便性や業務継続性を確保するため、データセンターの地域分散化を進めるべきである。

としてます。

IoT/ビッグデータ/AI時代を担う人材では、

ネットワークに係るソフトウェア制御やセキュリティに関する人材のニーズが急速に高まることを見据え、継続的な人 材供給と新たな雇用機会の創出に取り組むことが重要。

ソフトウェアやセキュリティ等に関して求められる技能等について、こうした技能を持つ人材の産学官での流動性を 確保するため、一定の資格制度を含めたルールの在り方について、産学官共同で検討していくことが必要。

データ活用人材については、IoT/ビッグデータ/AIによる新たなビジネスモデルにとっての重要性を踏まえ、プログ ラミング教育等を通じた初等中等教育段階からの人材育成を含め、戦略的な育成が必要である。

IoT/ビッグデータ時代には標的となる機器・サービスが増加しており、多くの関係者が課題を共有し、協調して障害 等を解決する実践的な対応が必要であり、様々な攻撃パターンを想定した演習の強化が必要である。

所有者による管理が困難なデバイスを経由した攻撃の増加を踏まえ、通信事業者が、通常の利用を妨げない範囲 で、ファームウェアの自動アップデートや利用者への注意喚起といった取組を積極的に行っていくべきである。

多種多様なデバイスの脆弱性等を分析するため、リバース・エンジニアリングに向けた環境整備も重要である。

膨大かつ多様な機能を有する機器が接続され、これらの機器を踏み台とした新たな攻撃の可能性が高まるという、 IoT時代に特有のリスクを踏まえ、ネットワークと端末側双方の協調によるサービスの構築について、目安となるガイ ドラインの策定が求められると考えられる。

としています。

IoT関連サービスの創出では、

個人情報保護とのバランスを確保する上で、サービス提供者が遵守すべきルールを可能な限り明確化し、それによ り利用者が予見可能性をもって自らのデータを利活用に供することができる環境を作っていくべきである。

テストベッドを構築する上では、成長戦略にも明記された、IT利活用を促進するための新たな制度に関する検討も 十分に踏まえ、利用者が安心してユースケースを作っていけるような環境を検討すべきである。

権利保護と利活用のバランスを図るための考え方がユースケース毎に異なることを踏まえ、各分野にデータ活用に 関する自主的ガイドラインを策定すべく促すべきである。

利活用の場面によって具体的な課題や解決策が異なると考えられることから、事業化に際して直面している課題に ついてWGを設置し、引き続き、課題整理を行っていくこととすべきである。

としています。

今後の進め方としては、

・早期の具体化を図るもの
・未来への投資・雇用を見据え、国の成長戦略に資するもの
・G7情報通信大臣会合等で、国際連携を図るべきもの

としています。

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出所:総務省 IoT/ビッグデータ時代に向けた新たな情報通信政策の在り方 2015.12

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