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クラウド採用における意思決定者とクラウドを採用する理由

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調査会社の 451 Researchが発表した「Hosting and Cloud Study 2015」では、クラウドの採用プロセス(BUYING PROCESS )やクラウド採用の期待(CLOUD COMPUTING EXPECTATIONS)などの項目もとりあげられています。

クラウド採用プロセスにおける意思決定者(Primary Decision Maker)は、CIO/CTOがが52%が最も高く、CEOが44%、IT Infrastructure Managersが38%と続いています。影響者(Influencer)では、Software Developersなどさまざまな担当が関連していることがわかります。クラウドの採用時に、シャードITと呼ばれるように、各部門が独自の判断でクラウドサービスを採用し、IT部門が把握できていない状況が問題視されているように、クラウドサービス採用時のガバナンスはより重要となっていくでしょう。

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出所:451 Research, Hosting and Cloud Study 2015

次に、クラウド採用の期待(CLOUD COMPUTING EXPECTATIONS)をみてみましょう。

クラウド採用において最も期待が高いのが「Improve technology quality」が22%となっています。続いて「Help grow our business」が18%、「Improve Availability」と「Better business service」 が13%となっています。

つまり、クラウドサービスの採用は、先進的なテクノロジーの採用によって自社のITシステムの信頼性を高め、自社のビジネスの拡大を支援し、可用性を高め、より良いサービスを提供するといったところに重点が置かれています。 一方、「Inexpensive」は8%となっており、クラウド採用によるコスト削減への期待は高くはないことがわかります。

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出所:451 Research, Hosting and Cloud Study 2015

各部門によっても、期待への差が出ています。IT部門が「Improve technology quality」を重視するのに対して、アプリケーション開発部門は「Better business service」 、マーケティング部門は「Help grow our business」が高い数値となっています。

つまり、IT部門はクラウドの採用によって自社のシステムの信頼性を高めるため、アプリケーション開発部門はより良いサービス提供のため、そして、マーケティング部門はデジタルマーケティングに代表されるようにビジネスを加速させるため、といったところに主眼が置かれていることがわかります。

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出所:451 Research, Hosting and Cloud Study 2015

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