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未来への選択

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政府の経済財政諮問会議は2014年5月13日、「第7回 「選択する未来」委員会」を開催し、成長・発展ワーキング・グループ主査サマリー人の活躍ワーキング・グループ主査サマリー地域の未来ワーキング・グループ主査サマリー に加えてこれまでの議論についての中間整理を発表しています。

すでに起こった未来、つまり確実な未来として、50年後も、人口減少が続き加速し、現状のままでは、
「人口急減・超高齢社会」が到来します。

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出所:第7回 「選択する未来」委員会 2014.5.13

中間整理では、【現状のまま何もしない場合の未来像として

・ プラス成長を続けることは困難になり、マイナス成長が定着
・ 「人口オーナス」と「縮小スパイラル」の双方が作用し、国民生活低下のおそれ
・ 女性、高齢者、若者が活躍できない労働市場の二極化、格差の固定化・再生産
・ 地方で4分の1以上の自治体が消滅可能性、東京では超高齢化
・ 医療・介護費の増加により財政破たんリスクの高まり

を示しており、現状のままでは、日本は危機的な状況に陥る可能性を示しています。

本委員会では、未来を変えるための時間及び改革・変革の方向性として、早期にはアベノミクスを機に迅速かつ強力に取り組み、長期の発展経路を示すとともに、出生率上昇の流れを強めて2020 年目途でトレンドを変え、東京オリンピック・パラリンピックが開催される 2020 年の先を展望しながら、 持続的・安定的に成長・発展する経済社会の創造を目指し、以下の5つを示しています。

1.人口:
  
子どもを産み育てる環境の整備により 50 年後に1億人程度の人口保持
2.中長期的な経済成長と発展:
  
経済を世界に開き、「創意工夫による新たな価値の創造」により、成長し続ける
3.人の活躍:
  
年齢、性別にかかわらず能力発揮
4.地域の未来:
  
集約・活性化と個性を活かした地域戦略
5.信頼・規範:
  
安全・安心の基盤確保

中でも避けて通れない最も重要なテーマは、人口政策に関わる部分で、50年後にも1億人維持のために、出生率の1.7への引き上げや、資産配分の高齢者から子供へシフトなどが、未来への投資と位置づけて積極的に拡充していく必要性を示しています。

本委員会では、

・制度、政策や人々の意識が速やかに変われば、「人口急減・超高齢社会」への流れは変えられる
・若い世代や次の世代が豊かさを得て、結婚し、子どもを産み育てることができるよう集中して改革・変革

と示しているように、人々の意識の変化や、若い世代や次の世代の結婚や子育を支援する改革や変革が重要となっています。

P.F. ドラッカーが指摘するように、「人口急減・超高齢社会」は、『すでに起こった未来』であり、もはや元に戻ることのできない変化です。これらの日本社会に重大な影響を与える変化や未来を、一人ひとりが真剣に理解をし、未来への備えと選択をし、実行していかなければならない重要な岐路に立っているといえるのかもしれません。

 

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