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政府の医療・健康に関わるデータ活用について

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IT総合戦略本部は2014年2月18日、「新戦略推進専門調査会分科会 医療・健康分科会第3回会合」を開催し、総務省、経済産業省、厚生労働省などの各省庁の医療・健康に関わるICTの取り組みについて紹介しています。

今回は、医療・健康分野に関わるデータ活用に焦点をあてて整理をしてみたいと思います。

総務省の取り組み

総務省は、スマートプラチナ社会構築事業において、ICT健康モデル(予防)の確立を目指し、生活習慣病等の発症・重症化予防のため、ヘルスケアポイントを用いた実証を行う予定です。個人に歩数計や体組成計や各種センサーなどを通じて健康データの計測を行い、健康情報を蓄積した健康情報データベースで解析を行い、保険事業受託事業者などがデータに基づき、健康指導などを行うという取り組みです。

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出所:医療ICT分野における総務省の取組 2014.2.18

厚生労働省の取り組み

厚生労働省では、

取組例① 保険者によるレセプト等データの利活用推進
取組例② 医療情報DBを活用した医薬品等の安全対策の推進
取組例③ レセプト情報・特定健診情報等DBの活用
取組例④ 介護・医療関連情報の「見える化」の推進

といったように、高齢化の進行などによる医療需要・財政負担の増加における解決のための医療データの活用を推進しています。

保険者によるレセプトなどのデータの利活用推進においては、平成26年度に一部の健保組合などでモデルとなる「データヘルス計画」を作成し、実証などを行い、平成27年度から「データヘルス計画」の実施を予定しています。

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出所:厚生労働省における医療ICT化の取り組みについて 2014.2.28

医療情報データベースを活用した医薬品等の安全対策の推進においては、 平成26年度と27年度に、医療情報データベースシステムを構築し試行運用を行う計画を進めています。また、医療情報データベース分析手法高度化事業では、医療情報データベースのデータを活用した効果的な医薬品などの安全対策を実施するため、疫学的手法を用いた活用方法の高度化を推進する計画を進めています。そして、データ検証(バリデーション)事業では、各拠点病院に保管されるカルテ情報などをもとに、医療情報データベースを構築し、抽出された情報の正確性などその信頼性の検証(バリデーション)を行うとしています。

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出所:厚生労働省における医療ICT化の取り組みについて 2014.2.28

国が保有するレセプト等データの利活用推進では、医療の質の向上や研究基盤の強化を進めるための、ビッグデータの利活用推進が課題とし、ナショナルデータベース(レセプト情報・特定健診情報等データベースシステム)のデータ活用の推進を進めていく計画です。

ナショナルデータベース(NDB)のの第三者提供円滑事業では、研究者向けNDBデータ分析施設を設置(関東・関西各1か所の計2か所)し、NDBデータ提供の申出者範囲の見直しの検討も行っていく予定です。

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出所:厚生労働省における医療ICT化の取り組みについて 2014.2.28

介護・医療関連情報の「見える化」の推進では、介護保険総合データベースの活用に向けて、介護保険総合データベースの機能強化を含む情報基盤の整備などを行うとしています。

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出所:厚生労働省における医療ICT化の取り組みについて 2014.2.28

 

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