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公共データの民間開放(オープンデータ)の推進に関する平成26年度予算案などについて

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IT総合戦略本部は2014年2月21日、「平成26年度「工程表該当施策」に係る平成25年度補正予算及び平成26年度予算政府案について」を公表しました。

政府が一番上にあげている「1.公共データの民間開放(オープンデータ)の推進」について、平成26年度予算案を中心に内容を整理してみたいと思います。※一部詳細内訳不明

総務省 情報流通連携基盤構築事業(平成26年度予算案:2.9億円)施策概要

各分野内で閉じた形でのみ利活用されているデータを、分野を超えて社会で効果的に利活用することのできる環境(オープンデータ流通環境)を構築するため、実証実験等の実施を通じて、
①情報流通連携基盤共通API(標準データ規格(データモデル、データフォーマット、共通ボキャブラリ)及び標準API規格)の確立・国際標準化、②データの2次利用に関するルールの策定、③オープンデータ化のメリットの可視化等を行う。オープンデータ化のメリットの可視化については、国・自治体・公益企業等と連携した実証実験でオープン化されたデータ等を活用したアプリケーションの開発(一般公募も含む。)を行うほか、オープンデータ流通推進コンソーシアムと連携し、アイデアソン、ハッカソン、シンポジウム、優秀事例の表彰等を行うことで、公共データの利用促進を図る。

経済産業省 公共データの民間開放(オープンデータ)・利活用に係る調査及び実証(2.1億円)施策概要

経済産業省や自治体等が保有するデータのオープン化の実践を通じて課題を抽出し施策に反映させる(「DATA METI構想」)。具体的には、データ形式や利用規約を考慮したオープンデータポータルサイト「Open DATA METI」の整備、オープンデータを念頭に置いた業務プロセスの検討等に取り組むとともに、公共データを活用したビジネスモデルの実証実験を実施する。さらに、情報連携用語彙データベースの整備を独立行政法人情報処理推進機構(IPA)と協力して取り組む。

内閣官房 データカタログサイトの構築(0.3億円)施策概要

各府省の公開データのメタデータとURLを保有し、メタデータを利用した検索とURLリンクを通じた本体データのダウンロードを可能とする「データカタログサイト」を整備する。府省横断的なデータの案内・横断的検索を可能とすることで、利便性の高いオープンデータの提供を行う。当初は国の府省の重点分野(地理空間情報、防災・減災情報、予算・決算・調達情報、統計情報、人の移動に関する情報、白書)を優先的に登録していくこととしているが、有識者の意見、国民・利用者のニーズ等を踏まえ、登録するデータの充実・拡大を行っていく。

総務省 統計データのオープン化の推進(8.3億円) 施策概要

「政府統計の総合窓口(e-Stat)」の統計情報データベースに、統計データを機械的に取得できるAPI(Application Programming Interface)機能を整備し、蓄積された統計データを容易に機械判読に適した形式で提供する。

環境省 オープンデータの取組推進(0.2億円)施策概要

公共データの民間開放(オープンデータ)の取組を環境省において推進するにあたり、①ホームページ・その他必要な利用ルールを見直し、②データカタログサイトに係る対応、③データカタログに登録するデータの充実等を行い、機械判読に適したデータ形式で公開できるよう環境省内の仕組みを整備し推進する。また、英語表記のコンテンツを充実できるよう推進する。

総務省 公共クラウド構築プロジェクト(0.5億円)施策概要

地方公共団体の保有する行政データのオープン化を通じて民間事業者を支援する、民間活力の土台の一つとしての公共クラウドの整備を推進する。<シーズニーズマッチング>多くのデータを有する自治体のシーズと、データの活用を期待する民間企業のニーズをマッチングし、数多くの有益なデータから 対象データを抽出。<データの整備と集約>各自治体において、公共クラウド上にデータを整備し、集約。<オープン化>API仕様を公開し、広く民間事業者の活用を可能に。

総務省 G空間プラットフォームの構築等(14.0億円)施策概要

G空間情報(位置情報又は位置情報と位置情報に関連づけられた情報からなる情報:地理空間情報)を用いた革新的な新産業・サービスの創出や防災対策の強化等に活用するために、官民が保有するデータを円滑に組み合わせて利活用可能とするプラットフォームを構築する。また、G空間情報を活用して災害時のビッグデータを解析し、行政機能と連携させ、これをリアルタイムで活用する防災システムの構築の実証実験等を行う。

経済産業省 地質情報の整備 施策概要

防災(地震、火山、津波災害)や国土の有効利用(資源、地下利用)、環境保全(土壌、地下水汚染対策)に資するため、国土およびその周辺海域の基本的な地質情報整備の推進を図る。各種地質図(5万分の1地質図幅や火山地質図、地熱ポテンシャルマップ、海洋地質図等)ならびに既存の複数の地質関連データベース(活断層、火山、地質文献等)について電子化およびデータ標準化を進め、複数データの重ね合わせや関連性の検討を可能とする

経済産業省 地球観測データ連携システムの推進 施策概要施策概要

大容量かつ様々なデータ形式の地球観測衛星データの大規模アーカイブシステム及び専門家でなくとも簡単なインターフェイスで衛星情報の利用が可能となるプラットフォームの研究開発を行い、これらを関連機関等に提案・提供して、民間や個人が各種衛星データ情報を組み合わせて利活用し得る基盤を整備する。

国土交通省 地理空間情報の活用推進等 施策概要

地理空間情報(位置情報およびそれに関連付けられた情報)を利活用することにより、「革新的な新産業・新サービスの創出及び全産業の成長を促進する社会」を実現するため、地理空間情報の共有・相互利用の促進のための環境づくりに向けた、個人情報や二次利用等の情報の取扱いに関する利用規約等のルール等に関する検討を行うとともに、地理空間情報を活用した新サービスの展開のための実証事業を実施する。実証では、地域活性化や防災・減災等の分野において、地理空間情報活用のサービスモデルの運用上の課題を中心に検討し、課題及びその解決方策をとりまとめる。実証において、現在必ずしもオープンになっていないデータを含め、その活用を実証することにより、オープンデータ化を推進する

国土交通省 不動産流通市場における情報ストックの整備・提供方法に関する調査検討(1.0億円) 施策概要

不動産に係るエリア情報、性能・品質、履歴、価格など行政機関や市場に分散している不動産取引に必要な情報を効率的に収集・管理し、宅建業者や消費者に提供する情報ストックシステムを整備することで、不動産流通市場の透明性を高め、取引の円滑化及び活性化を図る。H26・27年度予算においては、民間シンクタンク、ベンダを活用し、対象情報項目や展開地域を限定したプロトタイプシステムの試行運用を行い、運用面における課題や効果を検証する。

以上のように、各省庁で公共データの活用について、様々な施策が検討されています。

 

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