オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

知能と学習能力を持つ「スマート・マシン」

»

ガートナージャパンが2013年10月16日に、日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2013年を公表し、ビッグデータが「過度な期待のピーク期」となっています。

ビッグデータにおける大きなテーマは、データをインテリジェンス化し、意思決定をするための価値あるデータに仕立てていく必要があり、そのために、高度な統計、機械学習、ITスキル、的確な判断力を持つ「データサイエンティスト」の重要性が指摘されています。

しかしながら、データサイエンティストを人材育成には中長期的な育成プランが必要であり、その一方で分析ツールなどのテクノロジーは進化を持ち、高度な知識を必要としなくても分析可能なツールが登場してくると考えられます。

さらには、マシンデータ、つまり、データ処理をするデバイス(マシン)そのものが知能と学習能力を持ち、マシン自らが判断できるようになる「スマート・マシン」が中長期的には主流となっていくでしょう。

ガードナー2013年10月15日に発表した「2014年の戦略的テクノロジ・トレンドのトップ10の一つに「スマート・マシン」があげられています。

スマート・マシンは、

コンテキスト・アウェアなシステム、インテリジェントなパーソナル・アシスタント、スマート・アドバイザー (IBM Watsonなど)、先進のグローバル産業システム、また初期の自律走行車などの普及により、スマート・マシンの時代は2020年にかけて発展するでしょう。スマート・マシンの時代は、ITの歴史において最も破壊的なものになるでしょう。ITによる実現が期待されながらも、これまでは「人でなければできず、マシンには不可能」と思われていたさまざまなビジョンの中からも、とうとう現実化されるものが出てきました。ガートナーは、成功に向けたスマート・マシンへの個人レベルでの投資とコントロール、利用が広がると考えています。企業レベルでのスマート・マシンへの投資も進むでしょう。スマート・マシンが導く革新の時代においても、コンシューマライゼーションと一元管理環境の対立的な関係は緩和されず、むしろ、企業による購入の最初の波が過ぎたころ、スマート・マシンによるコンシューマライゼーションの流れが一層加速することになるでしょう。

と整理しています。

スマート・マシンの光と影をガートナーが解説、「(大量失業などの)悪影響より利点もたらす」 」の記事では、

スマート・マシンとは

自律的に動き、自己学習する特性を持つものと

定義し、人間しなできないと思われていたことを実行し、新しいハードウエア、アルゴリズム、ネットワーク、コンテンツ(ビッグデータなど)の4つの力が合流して、スマート・マシンが現実のものになっていると指摘しています。

スマート・マシンの代表的な3つとして、

「Movers(移動する)」
「Sages(賢者)」
「Doers(行動する)」

をあげています。「Movers(移動する)」は、自動走行車をあげています。

警察庁と国交省が激怒!トヨタが首都高で“違法”自動運転を実演」と記事が様々な議論を呼びましたが、

トヨタのドライバーがハンドルから手を放し、さらにアクセルやブレーキのペダルからも足を離して自動運転する

様子がテレビで全国放送されています。制度面ではまだまだ課題はありますが、自動車が自らが道路状況を判断し、自動運転ができるレベルまで近づいてきているという段階まできていると考えられます。

「Sages(賢者)」は、個人をサポートする「仮想パーソナル・アシスタント」や、適切なアドバイスをくれる「スマート・アドバイザー」をあげ、代表格とて、米IBMの質問応答システム「Watson」をあげています。

Doers(行動する)では、ロボットをあげています。

スマート・マシンの普及によって15年後には数百万人の中間層の仕事が奪われるという指摘があり、雇用やキャリアに大きな影響を与える一方で、スマート・マシンをうまく活用することで、生産性を高め、競争力をあげていく必要性を示しています。

大量のマシンデータが増加する中において、様々なマシンが、インテリジェントを機能を持ち知能と学習能力を持つことができるようになれば、企業のみならず、生活や医療・介護、農業など様々な分野においての活用が進んでいくようになり、大きなゲームチェンジと、様々なイノベーションの機会を生み出すことになるでしょう。

関連記事

スマートマシン: 知能と学習能力を持った第二次OAの波が大量の専門職を不要にする

 

Comment(0)