データサイエンティスト(3)IT事業者とユーザ企業の活用例
ビッグデータの活用にあたって、大きく分けるとIT事業者がデータサイエンティストをユーザ企業に対してコンサルや分析をするパターンと、ユーザ企業自身が自社内でデータサイエンティスト、または、それに近い分析官を配置し、分析するパターンが見られます。
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO57421630X10C13A7EA1000 等から加工
IT事業者の場合は、アクセンチュアや富士通、NEC、日立製作所などが100名前後の規模のデータサイエンティスト、または、分析官を抱えています。それぞれ出身が、研究者、開発者、コンサルタントなど多岐にわたっています。
また、ビッグデータ関連の組織では、業無の内容も戦略の立案、コンサル、解析、運用、シナリオ設計、リスク管理、アプリや運用ツールの活用、分析基盤構築など幅広い分野となっています。
IT事業者はビッグデータの組織をつくりながらも、様々な人員を配置し、様々な業務を通じて、ビッグデータビジネスの独自モデルを創りだそうと力をいれているところが伺えます。
次にユーザ企業を見てみましょう。
ユーザ企業の優良事例として紹介されるのが、大阪ガスです。大阪ガズではビジネスアナリシスセンターで10名規模での数理計画、統計解析、環境、気象、エネルギーなどの専門家を抱え、業務の改善や意思決定に直結する分析などを行っています。
ユーザ企業では、マーケティングなどにビッグデータ活用を利用するケースが多いのですが、東芝の場合は、半導体生産の効率化のため、ライン設計、搬送、生産の3つのデジタルシュミレーションを行うことで、効率化を進めています。
面白いのはマスターカードの事例です。マスターカードはマスターカード・アドバイザーズが650億件の取引データを収集して分析し、ビジネスと消費トレンドを予測しています。その予測データを外部に販売しています。将来的には、カードの手数料ではなく、このトレンド予測データの販売収入が、事業の大きな利益を占める可能性もあるでしょう。
以上のように、IT事業者はユーザの多岐にわたるニーズに対応するために様々な人材を配置し、幅広い事業領域に対応できる体制をとっています。一方、ユーザ企業の場合は、業務にあわせて手段の一つとして分析を行っているというケースがみられます。