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ITベンダ24社 トップ年頭所感から読み解く2013年の「クラウドビジネス」、「ビッグデータビジネス」の方向感

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2011年2012年と毎年ITProの年頭所感で経営トップが「クラウド」を事業の戦略としてどのように捉えているか、興味深くウオッチをしてきました。2013年もITベンダ24社のトップ年頭所感が掲載されています。

全体の傾向としては、2011年はクラウドサービスの構築2012年はクラウドサービスの本格展開、そして、2013年は「クラウドビジネス」の加速という印象です。

各ITベンダは、2013年は本格的にクラウドビジネスを展開し、収益の一つの柱として位置づけていく年といえるでしょう。

一方、ビッグデータに関しては、ビッグデータの利活用や創造というキーワードからもわかるように、ビッグデータ自体は本格的にビジネスとしては、これからの段階で、まずは利活用やビジネスの創造からはじめ、収益モデルを描いていこうという段階に見受けられます。

以下、ITベンダトップによる「クラウド」および「ビッグデータ」に関わる記事を引用させていただきました。24社中20社を超える経営トップが、「クラウド」というキーワードをビジネスの収益の柱の一つとして捉えていることからも、2013年は、クラウドビジネスの領域を加速化させる年といえるでしょう。

ITベンダ24社 トップ年頭所感> ITProより

「グローバルにクラウドビジネス拡大」 富士通 山本 正已 代表取締役社長

2013年は、富士通グループとしてクラウドビジネスの領域をさらに拡大していく。日本、オーストラリア、シンガポール、米国、英国、ドイツを中心にグローバルに均一なパブリック型クラウドサービスの提供をさらに進める。クラウドは多様な領域でICTの先進的な利活用を可能にする。農業分野向け食・農クラウド「Akisa(i 秋彩)」を昨年10月に提供開始したが、今後も様々な業界のニーズに合ったサービスを展開していく。

「総合力を駆使しビッグデータを活用」 NEC 遠藤 信博 代表取締役執行役員社長

企業の顧客向けには、クラウドサービスビッグデータ活用による新たな価値の提供、その基盤となるプラットフォームの提供などに積極的に取り組む。ビッグデータ活用のポイントは、過去データを含めた大量のデータをリアルタイムに分析し、価値ある情報を抽出することだ。データの収集・分析から価値創造に至るプロセスの全てにおいて、NECの強みで貢献する。

「社会イノベーション事業で新たな価値を創造」 日立製作所 中西 宏明 執行役社長

その中核を担う情報・通信システム事業においては、クラウド、ビッグデータ利活用、そしてスマート情報を注力事業として、様々なサービス・ソリューション、プラットフォーム製品を提供する。

クラウド事業では、すでに官公庁や自治体、企業など多くの顧客が当社のサービスを採用している。その実績・ノウハウに、当社ならではの高信頼なデータセンターやプラットフォーム製品を組み合わせ、今後も顧客のニーズに対応していく。大量のデータの中から隠れた価値を掘り起こし、顧客に新たな価値を提供し、ビジネスの創造へとつなげるビッグデータ利活用事業も推進する。

「自らの変革経験を基に成長と競争力強化を支援」 日本IBM マーティン・イェッター 代表取締役社長

デジタル化の進んだ市場環境に即した顧客中心の商取引を支援するスマーター・コマース、データを基にリスク最小化や的確な意思決定を支援するビジネス・アナリティクス、変化するビジネス環境への迅速、柔軟な対応を支援するクラウドコンピューティング、東北地方の復興を含め、行政や企業が進める地域経済活性化を支援するスマーター・シティーなどに注力していく。

「『New Era』新時代へワークスタイルを変革」 日本マイクロソフト 樋口 泰行 代表執行役社長

2013年度は「New Era」新時代への変革の1年と位置づけ、Windows 8、新しいOffice、Windows Server、クラウドサービス、各種サーバー製品など次々と革新的な新製品の提供を開始する。ソフトウエアの力で、革新的なデバイスとクラウドサービスを提供していく「デバイス&サービス カンパニーを目指す」ことを会社のビジョンとして掲げ、パートナーとの連携も含め、様々な改革を全社を挙げて推進する。

「シンプルかつ柔軟、先進的なICTを展開」 日本オラクル 遠藤 隆雄 代表執行役社長 最高経営責任者

二つめはクラウドの展開だ。当社では、業務アプリケーション「Oracle Fusion Applications」や、タレントマネジメントの「Taleo」、カスタマーサービスの「Oracle RightNow」など多数の業務アプリケーションをクラウドで展開している。「Oracle Database」の次期バージョンもクラウドへの対応が拡充される予定だ。

「リアルタイム経営へイノベーションを支援」 SAPジャパン 安斎 富太郎 代表取締役社長

イノベーションを起こす支援をするために、当社は、常に最終消費者を意識した、デザインシンキングを用いたSAP独自の方法論とインメモリー、モバイル、クラウドなどの技術を駆使する。イノベーションと根本的な構造改革を目指すトランフォーメーションを合致させることで、顧客のビジネスに革新を起こし、真のリアルタイム経営の実現を支援していく。

「『Excite Nippon!』社徳の実践を目指す」 シスコシステムズ 平井 康文 代表執行役員社長

当社が目指すのが「Excite Nippon!」だ。その実現を(1)クラウドの連携、(2)ライフスタイル、ワークスタイルの変革、(3)ビッグデータの創出、の三つの重点領域が支える。私達はまず自ら率先して、ビデオを中心とした映像の力、マルチOS、マルチデバイスによるシームレスなユーザーエクスペリエンス、セキュアでモバイルな環境などの先進技術を統合し、ライフ・ワーク・インテグレーションに取り組み、その成果を日本企業に還元していく。

「新たなIT基盤へ変革を支援」 EMCジャパン 山野 修 代表取締役社長

「TRANSFORM IT+BUSINESS+YOURSELF」をスローガンに、「クラウドでI T」を、「ビッグデータでビジネス」を、そして「自分自身」を変革 (Transform) できるよう、引き続き顧客を支援していく。2013年も事業分野としては、「ITトランスフォーメーション」、「ビッグデータ」、「トラスト」の三つを強化する。ストレージ関連製品へ適材適所でフラッシュディスクを採用する「Flash Everywhere」戦略の実践。クラウドコンピューティング/仮想化を強力に推進するためにヴイエムウェアおよびパートナーとの協力体制の強化。ビッグデータ分析パートナーとの連携、データサイエンティスト育成プログラムなどによるビッグデータの啓発活動なども引き続き行う。

「エンドツーエンドでソリューションを提供」 デル 郡 信一郎 代表取締役社長

ビッグデータ時代に向けた新たなストレージ技術やプライベート/パブリッククラウドの構築からサービス提供、セキュリティポータルの提供などに注力する。

「信頼とパートナー連携で日本企業の力に」 セールスフォース・ドットコム 宇陀 栄次 代表取締役社長

エンタープライズ・クラウドの根幹は信頼にあると考えている。2012年もセキュリティ関連事故は一度もなく、システムの稼働状況は専用サイト上で常時公開している。国内データセンターの開設も国内企業からの信頼向上につながったと実感している。

「リマーケティングで国内市場を再評価」 NTTデータ 岩本 敏男 代表取締役社長

クラウドに関する記載なし

「多様なニーズに応えるサービス事業を強化」 キヤノンマーケティングジャパン 川崎 正己 代表取締役社長

2013年は、顧客のニーズが「モノを所有する形」から「サービスを利用する形」へ大きく変化すると見ている。西東京データセンターを中核拠点として、ハウジングやコロケーションサービスの積極展開、システム運用サービスやクラウドサービスのラインアップ拡充とともに、ITサービス共通基盤である「SOLTAGE」の展開を進め、多様なニーズにより細かく対応するアウトソーシングサービス事業を強化していく。

「事業会社各社でサービス化を加速」 ITホールディングス 岡本 晋 代表取締役社長

ここ数年、クラウド事業の中核拠点として次世代型データセンターを次々に開設し、徐々にその事業が軌道に乗りつつあるが、さらにその基盤を活用し、ビッグデータソリューションの提供を進めていく。

「クラウドビジネスを一層強化」 伊藤忠テクノソリューションズ 菊地 哲 代表取締役社長

注力分野としては、引き続きクラウド、モビリティ、ビッグデータが挙げられる。クラウドでは、プライベートとパブリックの融合が始まっており、データセンターサービスと合わせて、運用の効率化とセキュリティを重視したサービスを提供していく。ITインフラ環境をサービス化し、システム運用・管理サービスと合わせて一括提供するサービス「cloudgae ElasticCUVIC」も開始した。2013年4月に完成予定のデータセンター新棟と合わせてクラウドビジネスを一層強化していく。

「上流から運用保守までサービス連鎖を強化」 日本ユニシス 黒川 茂 代表取締役社長

中期経営計画の達成に向けて、従来のサービスインテグレーション力をさらに強化するため、パブリッククラウド/プライベートクラウドなど多種クラウドが混在するシステム環境の構築・運用技術を強化する。これによりICTの最適化に向けた「目利き(診断)・引越し(マイグレーション)・お守り(運用)」をワンストップで提供する。また、顧客のICT活用の変化に対応するための技術として、ビッグデータ活用技術や、コンシューマ向け技術に注目する。個人所有のスマートモバイルを安全に業務活用するBYODサービスにも取り組む。

「グループ力を発揮し顧客の期待に応える」 東芝ソリューション 河井 信三 取締役社長

2013年は、東芝の強みの一つであるメモリーやハードディスクなどのデバイス製品と当社の強みであるシステム技術により開発した新たなストレージアレイ製品を市場投入し、各種アプリケーション、クラウド、データセンターなどの業種・業務ソリューション事業に生かし、顧客の事業の成長に貢献するIT提案を積極的に行っていく。

「三つの基本戦略を次のステップへ」 SCSK 中井戸 信英 代表取締役社長

事業面では、「クロスセル」の推進、クラウドビジネスの拡充、グローバル関連ビジネスの拡大の三つを基本戦略として定め、積極的に展開してきた。 2013年は、合併時に定めた経営計画における中間点であり、次のステップへと発展するための重要な一年となる。前述の三つの基本戦略の推進を加速させるとともに、さらなる収益力の強化、開発業務の効率化、クラウド人材・グローバル人材の育成を進める。

「グローバルICTの強化・拡充を進める」 NTTコミュニケーションズ 有馬 彰 代表取締役社長

クラウドを活用した「グローバルトータルICTアウトソーシング」を提供し、顧客のICTシステムを全体最適化することで経営革新をサポートしていきたいと考えている。

2011年10月に策定した新たなサービスビジョン「グローバルクラウドビジョン」の下、ネットワーク仮想化技術を活用した世界初のクラウドサービス「Bizホスティング Enterprise Cloud」やパブリッククラウド「Bizホスティング Cloudn」など新たなクラウドサービスを提供していくとともに、スムーズなクラウド移行をサポートするための「クラウドマイグレーションサービス」、さらにはクラウドを安心して利用してもらうための「Bizマネージドセキュリティサービス」などをグローバルに展開していく。

「アジア向けを強化、クラウドビジネスも加速」 新日鉄住金ソリューションズ 謝敷 宗敬 代表取締役社長

クラウドビジネスを加速する。昨年新設した第5DCを拠点にIaaSである「absonne」を拡販するとともに、absonneと顧客固有インフラを包括的に運用するインフラアウトソーシングサービスを展開していく。社内でもabsonneをアプリ開発環境として活用し、ソフトウエア開発の開発生産性や品質を向上させる「NSSDCクラウド」の利用を加速。さらにDaaSなど、端末とクラウドを組み合わせたソリューションにも力を入れていく。

「遠心力と求心力、Gゼロ時代に備えよ」 アクセンチュア 程 近智 代表取締役社長

クラウドに関する記載なし

「各国の企業をクロスボーダーで支援」 プライスウォーターハウスクーパース 椎名 茂 代表取締役社長

クラウドに関する記載なし


※過去の記事

ITベンダー22社のトップ年頭所感から読み解く、2012年の「クラウド」 2012.1.10

【2011年】ITベンダ各社のクラウドビジネスの方向感(年頭所感より) 2011.1.5

 


オープンクラウド入門 CloudStack、OpenStack、OpenFlow、激化するクラウドの覇権争い (Next Publishing(Cloudシリーズ))

 

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