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街のデータを活用したICTによる街づくり

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総務省は2012年9月6日、「平成24年度 ICT街づくり推進事業に係る提案の公募」を公表しました。「ICTを活用した街づくりとグローバル展開に関する懇談会」の報告書が示した「ICTスマートタウン」先行モデルの実現を図るため、「ICT街づくり推進事業」に係る提案を本日から平成24年10月9日まで公募しています。 

ICTを活用した街づくりとグローバル展開に関する懇談会」の報告書には、国がもっているものや国が指示すると出てくるものを地域で使えるようにし、産業創出などに寄与する多種多量のビッグデータの活用による街づくりの必要性が指摘されています。

その中で、街のデータを活用したICTによる街づくりの事例が紹介されていますので、ご紹介しましょう。

富山県【北陸】

● 富山県富山市では、コンパクトシティ戦略として、鉄軌道をはじめとする公共交通を活性化させ、その沿線に居住、商業、業務、文化等の都市の諸機能を集積させることにより、公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを実現。
● 住民基本台帳情報等を地理情報システム(GIS)に展開することで、都市構造やその変化等を把握・分析・可視化し、まちづくり施策の立案や効果検証などを行う都市計画分析モデルにより、人口減少、超高齢化、低炭素化等に対応した持続可能な都市経営を推進。

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北海道

● 地域における魅力と課題のうち、魅力を増幅する観点から、北海道における食と観光の活性化のためにICTを活用。
● スマートフォン上のARアプリケーション等を活用し、自治体の観光情報(文化・歴史、食産業等)、災害・緊急情報(AED配置、避難所等)や利用者のソーシャルメディア情報等と、スマートフォンを通じて取得する街の位置情報や映像情報等を融合させ、画面上の街の風景に施設情報等を重ねて表示。平時・非常時の情報が同じプラットフォームで流通する環境を実現。
● IDの付与により管理するトレーサビリティ等を活用し、食の安心安全に関する情報(成分情報、生産者情報等)と、流通情報(レシピ情報、ブランド情報等)や消費者評価情報(ソーシャルメディア、POSデータ等)等の食を楽しむ情報を連携・流通させ、食産業を活性化。

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宮城県名取市【東北】

● 宮城県名取市においては、避難場所、医療施設、防災倉庫や公共施設等の位置情報や写真情報等の防災関連データを地図上に集約化し、ウェブページやメールで情報提供するとともに、携帯電話等を通じた市民からのテンプレートによる防災情報、災害情報やイベント情報の提供
を受け付け、住民との共創により防災マップを整備。災害時の安全確保や被害軽減、さらに、平時におけるイベント情報等の行政情報の提供にも活用。
● 岩手県葛巻町においては、TV等中継局、高速ブロードバンド回線、防災無線同報系設備や携帯電話基地局も無い中で発生した平成18年の豪雨災害により、鳴らないサイレン、確認できないメール、伝えられない避難勧告や確保されない避難所との連絡手段等の課題が顕在化。このため、災害に強く安全で安心して暮らせるための情報通信基盤を一体的に整備。今後、この基盤を有効活用し、高齢化や産業振興等様々な課題の解決のために展開。

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● 愛媛県松山市では、公共交通機関(伊予鉄道(株)のバス・電車)の位置情報をリアルタイムで検知し、空港、市役所、駅や停留所等で表示することにより、運行状況を案内するとともに、 運行監視やダイヤ編成にも活用し、高度な公共交通網を実現。
● 愛媛県松山市における道後温泉エリアにおいては、蓄積された観光客の属性情報、位置情報や時間情報等を活用することにより、観光客の性別や時間等にあわせたPUSH型の観光情報の自動配信サービスを実現。

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愛知県名古屋市【東海】

● 愛知県名古屋市において、車内LANのCANデータ(速度、加速度、燃料噴射量、アクセル開度等)とGPSによる位置情報等を活用し、発進時の加速状況、巡航時の車間距離の確保状況、減速時のアクセルオフ状況や停止時のアイドリングストップ状況等を見える化、総合指標によるエコドライブランキングを実施。結果、平均燃料消費量が5.2%削減。
● 愛知県豊田市において、プローブ情報等を活用する共通プラットフォームを構築し、公益財団法人豊田都市交通研究所により運営。同プラットフォームでは、国、自治体、自動車メーカー、大学等の様々な主体により、交通規制情報、プローブ情報や平常時・災害時の豊田市情報等が登録され、駐車場の空情報や市バスの位置等の交通情報等が市民に提供。

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今後の地域活性化においては、街に流れるデータは、プライバシーの問題などもありますが、いかに有効に情報を流通させ、生活している住民がメリットを享受し、地域の街づくりに役立てるのか、というのが重要なポイントになるかと思います。街のビッグーデータの活用による地域の街づくりは、今後、地域の活性化においての一つの大きなテーマとなっていくでしょう。

 

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