「CloudStack」でクラウド構築。Cirtrix社のCloudStack、XenServer Night Hands–on Seminarに参加して
2011年10月25日、Citrix社が主催する「「Citrix XenServerとクラウド基盤ソフトウェア「CloudStack」でプライベートクラウドを構築してみよう! 」セミナー」に参加してきました。
限定12名で毎月1回開催されていますが、かなりの倍率で人気のあるセミナーです。前回落選しましたが、今回は運よく参加することができました。
オープンソースクラウド動向
最初に、クラウド利用促進機構(CUPA)理事でCloudStackユーザ会の代表の荒井 康宏氏による「オープンソースクラウド動向」のお話です。
前半はEucalyptusやOpenStackやWakameなどのオープンソースクラウド系の開発の歴史や背景、後半は、CloudStackの概要やメリット、アーキテクチャーや機能やAPIについてのお話です。
CloudStackはIaaS型クラウド環境構築用の基盤ソフトウエアで、オープンソースで公開されています。
CloudStackが高い評価を受けているのは、パブリッククラウドやプライベートクラウド双方で構築ができ、非常に使いやすい直感的なユーザインターフェイスや拡張性、そして標準APIなどを実装している点です。
また、韓国のコリアテレコムやインドのタタコミュニケーションズ、日本では、北海道大学やIDCフロンティアなど多くの採用実績があり、今後もグローバル規模での利用者拡大が予想されます。
注目されるのは、12月ごろにリリースをされるのではと予想されているCloudStack 3.0です。ローカルサーバ連携やIPv6対応、OpenStackプロジェクトの分散オブジェクトストレージであるSwift(OpenStack Object Storage )対応やLDAP認証などの実装などが予定されています。
シトリックスのクラウドソリューション
次にシトリックス・システムズ・ジャパンのマーケティング本部担当部長の北瀬公彦氏から「シトリックスのクラウドソリューション」についてのお話です。少し見えにくいのですが、以下の写真がシトリックス社が提供するオープンなクラウドソリューションの構成図です。
CloudStackは、シトリックスが提供するオープンクラウドソリューションの中核に位置しており、シトリックスが提供するXenServerだけでなく、VMWareやKVMやHyper-Vなどマルチハイパーバイザーに対応しているのも大きな特徴です。
そして、オープンソースのOpenStackやセキュリティ管理プラットフォームのenStratus、クラウド管理プラットフォームのRightScale、そしてApplication テンプレートのUShareSoftなどと相互に連携することで、クラウドのエコシステムにも考慮しています。ネットワークレイヤーでは、オープンソースのネットワーク制御技術のOpenFlowも今後の注目です。
また、クラウド間をつなぐ「Citrix CloudBridge」は、L2トンネルやIPSecのほか、WANの高速化やロードバランシング等の特徴があり、今後のハイブリッドクラウドにニーズに対応しています。
サービスレイヤーでは、GSLB(Global Server Road Balancing)やシングルサインオン、ファイアウォール、IPS、SSL、アプリ/WAN高速化などの機能を持つ「Citrix NetScaler」も紹介されました。CloudStackと連携した事例では、NetScaler のGSLB の機能を使い、IDCフロンティアがクラウドおよびデータセンター間の負荷分散やバックアップサイトへの切り替えなどをしています。
CloudStackをインストール
最後に、CloudStackのインストール作業です。インストールするのは、「CloudStack 2.2 Community Edition With Xen Server」で、XenServer 5.6.0と各VMにはCentOS 5.5がインストール済みの環境下での作業です。
固定IPアドレス、Storage Server、Management Server(CloudStackバイナリをダウンロードなど)を設定後に、CloudStackのWebUI画面が立ち上がりました。これまでの作業は、おおよそ40分~50分程度だったと思います。
下の写真は設定後のダッシュボード画面です。まだ何も立ち上がっていない状態です。
その後、画面左のメニュー画面から、ZoneやPod、クラウド、ストレージなどの設定を行い、最後にインスタンスを作成しまた。以下の写真が、すべて設定後のCloudStackのダッシュボードの画面です。
システム管理者や技術者向けのセミナーということで、あまり自信がなかったのですが、今回の共催で、CloudStackのエンジニアを多数抱えるクリエーションラインの方の講師の指導をいただきながら、何とかインストールを完了することができました。
しばらく、CloudStackの画面をいじっていましたが、リソースの設定など非常に使いやすいインターフェイスで、利用者の評価は今後さらに高まっていくのではないかと感じたところです。
※担当キュレーター「わんとぴ」
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