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ソーシャルメディアで「徳を積む」ということ

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10月4日に、ITマネジメント・サポート協同組合が主催するセミナー『IT最新トレンド 「ツイッターが切り開く新世界」~ クラウドコンピューティングの最新動向とビジネスツイッター ~』で講演をさせていただきました。

私が担当したテーマは、「クラウドコンピューティング」と「ツイッター」で、前半部分はクラウド、後半はツイッターで、ツイッターの部分は主にビジネスパーソンのツイッター活用と、地域活性化の視点でお話をさせていただきました。

講演後、名刺交換や懇親会などでいろいろとお話をさせていただいたのですが、「ソーシャルメディアで徳を積む」という言葉が印象的だった方が多かったようです。

「ツイッターノミクス」をツイッターで #twiyomi 」(2010.4.12)のブログでご紹介させていただいた中で、「ウッフィー」を中心に印象に残った点を読書しながらつぶやく、いわゆる #twiyomi をしてみました。反響の大きかったつぶやきをご紹介しましょう。

ウッフィーとは、ウェブの世界では「お金」よりはるかに価値のある「通貨」である。それは与えることによって増えていく。貢献することにたまっていく。ウッフィーは、流通することによって価値が高まり、人と人がつながる。ギフト経済が機能する。 #twiyomi

『ツイッターノミクス』読了。ちょっと昔の話で恐縮ですが、二宮尊徳の「報徳思想」や横井小楠の「富国有徳」と似ているとことが多いと思います。つまり、日本人は「ネットで徳を積み重ねること」がもともと得意とする歴史・文化があるのではないかと、感じています。#twiyomi

私自身、大学でのゼミ専攻は、ITとは全く関係のない「日本経済思想史」でした。主に横井小楠、二宮尊徳、渋沢栄一、石田梅岩などの考え方について学んできました。ゼミの先生は、横井小楠を専門としており、経済と道徳の一致に関する考え方は、とても印象に残っています。今でも1年に1回は先生のお話をお聞きし、家族ぐるみでお付き合いをさせていただいています。当時は、経済と道徳について、あくまでも学業として意識し、それほど生活の中では重要性を認識していませんでした。しかし、ツイッターの普及により、その重要性について再認識をし、先生から献本いただいた本を時々読み返しています。

日本で、ツイッターが世界の中で最も普及している背景には、日本人特有の「徳」が存在しているからではないかと感じています。日本人は「ネットで徳を積み重ねること」がもともと得意とする歴史・文化があると、感じています。ツイッターは、ブログやSNSなどの他のソーシャルメディアと比べると、最も「人間性」が表に出るツールです。いつも前向きな人から悪口を書く人、食べ物のことばかりつぶやく人、など、本当に様々です。普段その人が何を考えているか、何が好きなのか、ツイッターの内容を見れば、その人となりをなんとなく理解することができます。

実際に、先日のセミナーで名刺交換をしたときに、「ツイッターと全く同じで、お会いしてみてイメージした人のままでした」といった趣旨のお話をいただきました。オンラインとオフラインで人格が一致していれば、ツイッターでも、自然体でつぶやくことができ、長続きすると考えています。

ツイッターで、短期間でフォロワーを増やすとか、ビジネスで儲けるとか、様々なセミナーが開催されていますが、基本的にはあまり賛成ではありません。もし、セミナーをするとしたら、ツイッターなどソーシャルメディアでいかに継続させ、徳を積み重ねていくか、というテーマについて、もう少し議論すべきではないかと感じています。

9月17日、国際大学GLOCOMの地域SNS研究会主催の「第7回 地域SNS全国フォーラムin掛川」が開催されました。私は、USTREAMとツイッターのライムラインを見て、講演の模様を聞いていたところ、二宮尊徳と徳とソーシャルメディアの関係について、お話をされている方がいらっしゃいました。私自身もついついツイッターで反応してしまいましたが、やはりソーシャルメディアで地域活性化をしていくためには、やはり、「徳」が重要視されているというのが、関係者のつぶやきを見て、改めて感じることができました。

ブログやSNS、そしてツイッターなどのソーシャルメディアは、必ずブームがあり、一時的に熱狂的に使う人がいて、その反動で「○○疲れ」が生じ、全く使わなくなる人も多くいます。私自身がブログもツイッターも毎日欠かさず長続きしているのは、中長期視点で、「徳を積む」ということを大原則として取組んでいるからです。ブログは「専門性」を表現するツールだと思いますが、ツイッターの場合は「人間性」を表現するツールであると感じています。自分自身が自然体で人間性を表現していけば、自然と人とのつながりも整理され、様々なフィードバックを得ることができることを、肌で感じています。

「ソーシャルメディアで「徳を積む」ということ」。改めて、その重要性を感じているところです。

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