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クラウドマイグレーションについて

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先日、あるITベンダの方と名刺交換をした際に、部署名が「マイグレーション事業部」という名称でした。「何をされる部署ですか?」と尋ねたところ、「これからは、クラウド化が進むので、オンプレミスからクラウドへのマイグレーションを支援する部署として立ち上げました」といったような趣旨の話をされていました。

実際に、私自身も、何社か情報システム部門を訪問し、今後のクラウドの導入について情報交換や提案をすることがあるのですが、少なくとも中長期的にはクラウドの導入が視野には入っており、どのようなシステムをどのようにクラウド側にマイグレーションをしていけばいいのか、というのは大きなテーマとなるでしょう。

では、実際にどのようにクラウドにマイグレーションをしていけばいいのでしょうか?クラウドの定義が曖昧なために、手のつけ方がなかなか判りにくいというのが現状としてはあるのではないかと感じています。

いくつかマイグレーションの例をあげてみたいと思います。まず、(プライベート)クラウドを導入するにあたってロードマップの大枠を決めていく必要があるかと思います。データセンターの集約、そして集約に伴うデータセンターセントリックなネットワーク設計が大前提となるでしょう。また、導入にあたっての標準化やサーバやストレージの統合、仮想化や自動化ツールの導入、そしてハイブリッドクラウドなどのクラウド連携、グループクラウドや業界クラウドといったように、ステップを踏んでマイグレーションしていくというのが必要なのかもしれません。

また、マイグレーションにあたっては、SaaSのみにするのか、PaaSやIaaS、そして仮想化のどこからマイグレーションをはかっていくのか、システム全体の状況を踏まえて検討していくことが重要となるでしょう。また、パブリッククラウドかプライベートクラウドのどちらで中長期的に導入を進めていくかの検討も必要となるでしょう。

また、今後はプライベートクラウドとパブリッククラウドとオンプレミスと連携させるようなハイブリッドクラウド環境構築のための管理ツールや大手ベンダのサービスに付加価値をつけて提供するといったようなクラウドブローカーのニーズも高まっていくかもしれません。

いずれにしても、今後は導入するかしないかも含めて、クラウドへのマイグレーションは、情報システム部門にとって大きなテーマとなっていくのではないでしょうか。

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