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iPadと電子書籍

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iPadの売れ行きが好調です。アップルは、発売初日で事前予約の出荷台を含む販売台数は、30万台と公表しています。また、iPadでダウンロードされたアプリは100万本、オンラインブックストア「iBookstore」の電子書籍は25万冊となっています。米調査会社iSuppliは、2010年の世界でのiPad販売台数を710万台と予測しています(関連記事)。販売台数もさることながら、iPad経由でダウンロードされるアプリケーションと電子書籍は相当な数になっていくでしょう。

iPadは多機能端末のため、アプリケーションをダウンロードしてゲームなどたくさんの利用シーンが考えられます。世代関係なく楽しんだり、ビジネスとして活用できる端末だと考えています。4月6日の日経新聞によると、バンダイナムコゲームス、セガなど大手6社が、iPad向けに、米国では3日、国内では4月末をメドにゲームの提供を開始する予定です。日本では、ゲーム用端末として、iPadはブレークする可能性もあるでしょう。

私自身は、電子書籍としてのiPadに注目しています。

iPadでは、専用の電子書籍リーダー「iBooks」のアプリケーションを利用し、電子書籍を読むことができます。フォーマットは、ePubです。またイラスト入りの「クマのプーさん」が付いていて、書体は5種類から選択、フォントサイズも変更することができます(関連記事)。Appleのオンラインブックストア「iBookstore」からダウンロードし利用することができます。

また、iPadでは、キンドルで提供している電子書籍コンテンツを読むことができます。アマゾンは4月2日、AppleのiPad向け電子書籍アプリ「Kindle App for iPad」をリリースしています。App Storeから無料でダウンロードすることができます。同アプリケーションを利用することによって、アマゾンの「Kindle Store」で、45万作以上をiPadにダウンロードして読むことができます(関連記事)。

iPadは、キンドルの電子書籍サービスとアップルのサービスと双方の利用することができます。しばらくは併用が続くかと思いますが、最終的にはすみわけがされていく可能性も考えられるでしょう。例えば、キンドルのサービスは電子ペーパに近い形としての書籍リーダー、「iBooks」は映像を使ったインタラクティブ性の高いマルチメディア形の書籍リーダとなるといった流れになる可能性もあるかもしれません。

将来的には、小学校中学校でのデジタル教科書として活用される可能性もあるでしょう。原口ビジョンで、「デジタル教科書をすべての小中学校全生徒に配備する(2015年)」 という目標設定をしているため、当然iPadも端末の候補としてあがってくるでしょう。

アマゾンとアップルはそれぞれ出版社と交渉を進めており、今後の電子書籍の価格についても気になるところです。同じ端末で同じ書籍コンテンツであれば、安いほうを選ぶことになるでしょう。iPad上での、電子書籍の活用の競合と共存の行方が、注目されるところです。

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