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スマートフォンの本格的主導権争い始まる

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4月に入ってからグーグルのAndroid携帯が、ドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルと3社一斉に勢ぞろいします。NTTドコモはソニー・エリクソン製の「Xperia」を4月1日に発売予定、KDDIはAndroidのスマートブックでシャープ製の「IS01」を5月以降に発売予定(関連記事)、そしてソフトバンクモバイルは「HTC Desire」を4月1日から予約受付を開始します(関連記事)。ほぼ同時期に発表や発売予定などが重なり、3社のAndroid端末への主導権争いが本格的に始まりました。

グーグルのエリックシュミットCEOは2月15日から開催された「モバイルワールドコングレス(MWC)」で、モバイルを最優先にしていくことを明言しており、グーグルを対抗軸に新たなケータイ戦争が幕開けをしたと考えることができるでしょう。

携帯電話のOSは、iPhoneやWindows MobileやSymbian等、多数のOSがシェア争いを繰り広げており、まだ勝者は混沌としています。米調査会社のアイサプライの調査データによると、2009年の携帯電話メーカーの世界シェアは、ノキア(37.8%)、サムスン電子(19.9%)、LG電子(10.3%)、ソニー・エリクソン(5.0%)、モトローラ(4.6%)となっています。また、世界のスマートフォンの出荷台数は、2009年の1億8100万台から2013年には4億3900万台まで伸びると予測しており、急速するスマートフォン市場へのOSのシェアの行方が注目されます。日本のスマートフォン市場においては、MM総研が2020年度の100万台強から2.5倍の250万台に急増すると予測しています。

一方、日本においてはガラパゴス携帯と呼ばれていましたが、モバイルOSのデファクト化が進むことで、既存のモデルの成長は鈍化するものの、日本の技術力の強みを活かした海外への進出の契機となるでしょう。今年の5月にはNEC、日立製作所、カシオ計算機が携帯電話事業で統合し、スマートフォンを柱とした新製品で海外展開をしていく予定です。世界の市場から見れば、日本のメーカーが束になっても10%には届かない状況ですが、どの程度まで挽回していけるのでしょうか。

また、iPhoneでは、電子部品に分解してみると、フラッシュメモリに東芝などが入っているだけで、ほとんど海外勢が占めており、特に台湾メーカーなどが低価格で攻勢をしかけており、部品競争においても苦戦が予想されます。今後台湾のようにEMSが主流となってしまえば、日本メーカの立ち位置も非常に難しくなるかもしれません。

スマートフォンの主導権争いは、サービスやプラットフォーム、から端末まで様々なレイヤで熾烈な競争を繰り広げています。このままいくと、Androidが一気にシェアを拡大する予感もしますが、対抗軸となる次世代iPhoneやWindows Phone 7 がどのように巻き返しをしていくのか、今後のモバイルOSのシェア争いには目が離せません。

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