グローバルクラウド基盤連携技術フォーラム
日刊工業新聞の7月7日の一面に、「グローバルクラウド基盤連携技術フォーラム(Global Inter-Cloud Techonology Forum:以下GICTF)」が設立されることが公表されました。NTTグループ、KDDI、富士通、NEC、東京大学、慶応大学、情報通信機構(NICT)等が発起人となっています。7月17日に設立総会を開き、慶応大学の青山友紀教授が会長に就任し、総務省もオブザーバーとして参加する予定となっています。産学官で「クラウド」を推進していくとしています。
日刊工業新聞によると、参加予定会員は、サンマイクロ、IIJ、日本IBM、日本オラクル、デル、マイクロソフト等、そして研究機関としては産業技術総合研究所、国立情報学研究所等の名前があげられています。特に参加予定会員としては、大手外資系企業が多いのが目立っています。
取組み内容としては、
異なる事業者のクラウド連携、例えば、ある事業者のサービスのトラブル発生時に別の事業者にバックアップさせるといった技術検討等があげられており、日本独自の信頼性の高いクラウド環境の実現を目指していくとしています。
GICTFのホームページの設立趣意書の中では以下のことが書かれています。
現状のクラウドシステムは、電子行政、医療・金融など、ミッションクリティカルな分野へ適用するには、信頼性や即応性、データの品質やセキュリティ面などの観点から十分とは言えず、これら分野の要求条件に対応する高い信頼性と品質の担保のためには、ブロードバンドネットワークで結ばれた複数のクラウドシステム間で連携し、相互補完できる仕組みが必要不可欠である。
とし、システム間の連携インタフェースやネットワークプロトコルなどの標準化を推進していくとし、グローバルな提供を実現するとしています。これまでは個々に事業者がクラウドサービスを提供する「シングルクラウド」としていましたが、クラウドが連携する「インタークラウド」の世界の実現することを目標として掲げています。
これまでの海外のクラウド事業者とは少し異なるクラウドのアプローチをしているように見えますが、どのように「インタークラウド」の世界が実現されるのか注目されるところです。