ブログ新聞の可能性
日経産業新聞(2009.6.8)にアメリカのシカゴでブログ等のコンテンツを印刷した新聞「プリンティッド・ブログ(PB)」が今年の1月に創刊し、米国メディア業界などでその動向が注目されているようです。
ブログ新聞に掲載されている主なテーマは、トレンドやテクノロジーを中心に分析する読み物やアートなどが中心となっているようです。米国では著名なアルファーブロガーの記事を読む読者も多く、人気ブログを紙媒体でも読む需要を想定し、現在、週1回のペースで発行し、将来は発行回数を増やしていくことを視野にいれているようです。
ブログ新聞のビジネスモデルは、低コストの編集費用、安い広告費、そしてインターネット経由の読者層をターゲットとしています。記者がロケーションと呼ばれる1000部を発行する地域を任され、自宅で紙面を印刷し、各自宅などに配布します。収益は地域の広告を中心とし、将来的には約2000ロケーションまで展開し年間30億ドルを目指しています。将来は、フェースブックとの連携や中国などの海外展開も視野にいれているようです。一方で「時代に逆行している」という意見もあるようです。
日本においては、地域版のフリーペーパーが多く発行されています。フリーペーパーは全国各地で普及し一定の市場を形成しています。私自身は、普段東京に勤務しているため、地元(群馬)の情報収集には非常に役立っています。地元の情報はネットよりもむしろ紙媒体から収集することをメインにしていることを考えると、地元の情報を紙媒体から知りたいという需要はそれなりにあるのではないかと考えられます。
まだ日本にはブログ新聞は上陸していないようですが、シブヤ経済新聞など、地元のネット新聞が全国各地に普及しているように、紙ベースでの地元の情報受信する需要はある程度見込むことができ、ビジネスモデルとしても可能性があるのかもしれません。今後、米国シカゴでの事例がどのように展開されていくのか注目されるところです。