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暗黙知をデータベース化する

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Web2.0がよく使われていた頃、暗黙知を集合知にするといった議論がよくされていた時期がありました。これまで高度経済成長を支えてきた世代が引退を次々と迎え、暗黙知といったこれまでのノウハウを継承していくことは益々重要となってきています。

日刊工業新聞の6月3日の記事によると、農林水産省は、認知科学や人工知能(AI)、ITを農業の技術継承に活用する取組みが紹介されています。例えば、ベテラン作業者がこれまで培ってきた高度な技術や技能をデータベース化し、これから新しく就農するための技能習得や技術向上に役立てていくとしています。6月4日に新規に研究会を立ち上げ、8月に報告書をまとめるようです。

1990年代と比べると2008年は、農業就業人口は、299万人となっており、183万人も減少し、そして65歳以上が6割と高齢化も進んでいます。39歳以下が1万2000人規模ということを考えると高齢化は深刻化です。

最近では渋谷ギャルが秋田で農業再生のための米作りに挑戦する模様がテレビ等で紹介されています。これまで若い人に敬遠されていた農業ですが、取り巻く経済環境、自給率の低下や食育等から農業への関心が高まりつつあるようです。しかしながら、就農してもすぐやめてしまう人も多いようです。

デジタルネイティブ世代といわれるように、ネットを使い世代が年齢を重ね、社会の中心的な存在になる時期がいづれ来るでしょう。暗黙知を集合知してこれからの新規就労や若手社員に共有していくといった取組みが、既に一部のメーカなどでも取り入れられていますが、農業においては、特に力をいれていく必要があるのかもしれません。

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