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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

クラウドと政府の新戦略

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内閣官房・IT戦略本部は3月2日、u-Japan戦略の次の戦略に次にあたるデジタル新時代に向けた新たな戦略である三ヵ年緊急プランを公表しました。本プランの中には、クラウドに関するキーワードが随所に盛り込まれています。そのポイントの一部整理してみたいと思います。

「霞ヶ関クラウド(仮称)」構築推進
効率的かつ柔軟なシステム構築、運用コストの削減、業務の共通化を推進するため、「霞ヶ関クラウド(仮称)」の構築を推進するとしています。   
・データセンターだけで5000億円を投じ、行政機関の情報システムを統合する   
(省庁や地方自治体のサーバーを物理的に集約する)   
・データセンターは、国内数箇所に分散配置しバックアップ体制を強化する   
・データセンターの運用は民間に委託し、雇用創出を生み出す   
・各省庁の業務プロセスの共通化を検討する   
・2015年までに一定の成果を見込む
   

デジタル特区(仮称)における共同利用型クラウドの活用
電子行政の全体最適を目指し、大規模な法改正等が必要となる場合は、「デジタル特区(仮称)」を活用し、共同利用型のクラウド・コンピューティングなどの技術を駆使して先行的に実施するとしています。
   

グリーンクラウドのグローバルハブ実現
データセンター等、情報通信機器・設備、ネットワークのすべてについて、環境面で世界最先端の技術を実用化し、情報保護に万全の対策を講じつつ、国内ひいては海外からも信頼して利用できる「グリーンクラウドのグローバルハブ」を目指すとしています。
   

また、本戦略に対するパブリックコメントの中において、教育機関におけるクラウド型ICT環境の構築という文言も書かれており、日本の将来を担う子どもたちに情報リテラシー教育を行うための環境として位置づけています。

正直ここまで、政府の新戦略に「クラウド」という言葉が登場するとは思いませんでした。政府が考えるクラウドは、コスト削減や人材育成、そして環境への対応など、様々な視点からクラウドへの可能性を書かれており、今後の具体的なプランが注目されます。

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