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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

政府の「霞が関クラウド」

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経済の厳しい情勢に対処していくため、総務省はICT(情報通信技術)産業は、即効力があり、かつ、未来の成長力強化につなげる上でも極めて重要であると位置づけています。

総務省は、3月17日、ICTビジョン懇談会の緊急提言を踏まえて、当面3年間に集中的に実施すべき重点施策として「デジタル日本創生プロジェクト(ICT鳩山プラン)‐骨子‐」を取りまとめを公表しました。

総務省の報告書等に目をとおすのですが、日増しに「クラウド」というキーワードが多く盛り込まれてきています。今回のICT鳩山プランの中においても「クラウド」というキーワードが20回弱ほど掲載されています。

例えば、   

  • 安全で信頼性の高い次世代クラウド・ネットワーキング技術
  • クラウド間連携を実現するプラットフォーム
  • クラウドサービスをNGN上で安心して利用できるプロトコル
  • 霞が関クラウドの構築
  • グリーンクラウド・データセンタの整備促進
  • クラウドコンピューティングを活用した実践的な遠隔教育システムの開発

等があげられています。

その中でも「霞ヶ関クラウド(仮称)」について比較的詳細に書かれていますのでここでご紹介したいと思います。

政府は、霞が関クラウドの構築について、政府”の底力を発揮していくとしています。日本全体のICTの利活用を加速化するためには、政府自ら率先して取り組む必要があるとし、クラウド等の新技術を積極的に投入し、革新的電子政府の実現を目指としていくとしています。

この革新的電子政府とは、政府における情報システムを、クラウドコンピューティングなどの革新的技術を活用し、関係府省が連携してハードウェアの統合・集約化や共通機能のプラットフォーム化を実現し、「霞が関クラウド(仮称)」を2015年までに段階的に整備していくとしています。

「霞が関クラウド」の整備によって、情報システムの効率的な整備・運用により、電子政府関連の構築・運営経費の大幅削減を目指し、業務の共通化やシステム間連携等による処理の迅速化及び安心・高度な行政サービスの提供を行っていくとしています。

kasumigasekicloud

実際に、ICT鳩山プランに掲載されている「霞が関クラウド」のイメージ図です。

この「霞が関クラウド」の実現のために、グリーンクラウド・データセンタの整備促進していくとしています。例えば、寒冷地、風力・太陽光発電等の利活用、電力ロスの少ない直流電源の活用、地震災害に強く、温度の一定したトンネル・地下空間の利用等をあげており、これらの取り組みにより、「グリーンクラウド・データセンタ」の整備を促進するとしています。

このコンセプトを活かしたものが、「霞が関クラウド」など政府の情報システム等を支える基盤としての「霞が関クラウド・データセンタ(仮称)」の構築になるようです。

ICT鳩山プランからは、総務省からの公表資料にも関わらず、各府省のデータセンターの一元化等、政府のクラウドに対する本気度が随所に見られるような気がしています。

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