「J-SaaS」のこれから
J-SaaSが3月末から開始となる予定です。J-SaaSとは、経済産業省が主導する中小企業SaaS活用基盤事業で、主に従業員数20人以下の小規模企業を対象としており、財務会計などバックオフィス業務や電子納税などを共通ポータルサイトを通じて、一括して行えるようになります。本事業の目的は、小規模企業におけるIT活用の底上げと経営力強化や公的インフラの整備・普及を目指しています。平成21年には50万社の導入を目指しています。
本事業の特徴は、安価なSaaS型のサービスを提供するために、国がインフラ設備の初期費用、構築費用及びアプリケーションのオンライン対応のための移植費用を支援することによって、低価格で利用できる環境を目指しています。
今後利用予定となっているSaaS型のサービスは、財務会計、給与計算、グループウエア、国税電子申告などがあげられています。ポータルサイトを通じて、相互にデータ連携などもできるようです。
これらの大規模なSaaS型サービスとその基盤をどのように運営していくかについてですが、国の委託事業が終了しても継続的にサービスが提供されるように、委託期間中から運用費用等については、原則、ユーザから実費で回収するスキームをつくっています。1月20日には収納代行事業者も採択されています。
料金設定についてですが、各社の判断に委ねるとしているところですが、おおよそ一つのアプリケーションで1ヶ月数千程度の金額が予想されます。
平成20年度「中小企業経営革新基盤整備委託費(IT経営実践促進事業(SaaS活用基盤利用促進研修事業))が公募がかかり、今年の1月から3月末にかけて全国各地で研修が実施されています。
J-SaaSセミナーの開催情報が、「J-SaaS情報提供サイト 」に掲載されています。
各々のセミナーのタイトルを見ると、ITをどのように経営に生かしていくかといったところに主眼が置かれているようです。
・IT・経営者研修会『ITは経費を少なく、必要な時に、必要なだけ利用する時代』
・経済産業省主催セミナー「元気な中小企業!元気な日本!~変わるワークスタイル~」
・J-SaaS普及研修会(SaaSを利用した新ビジネス)
・経営革新セミナー2009 -今こそ取り組みたいIT経営-
・経済産業省主催セミナー「事業主さん必見、J-SaaSを使った半歩先の経営戦略」
・J-SaaS普及説明会(インターネット時代の経営戦略)
2009年4月からは、本格的にJ-SaaSの事業が始まります。果たして、多くの中小企業がJ-SaaSを導入し、生産性を向上させていくことができるのか、非常に注目している事業です。