【2009年】情報通信の展望(3)NGNが本格展開する
NTT東西が、2008年の3月31日からNGN(Next Generation Network=次世代ネットワーク)の提供を開始しました。NTT東日本エリアにおいては、2009年度中に現行のBフレッツの提供エリアまで拡大していく計画を立てており、2010年度に光2000万契約を達成するために、2009年はNGNの本格的な活用が始まる年になります。
NGNは、従来の固定電話網の信頼性や安定性と、IPネットワークのオープン性や経済性の両方のメリットを備えた次世代ネットワークであり、主にQoS(品質保証)、セキュリティー、信頼性、オープンなインタフェースといった特徴をもっています。
2009 年中のNGNの本格エリア拡大時期において、NGNを使った様々なビジネスの活用が検討される年になるでしょう。昨今、クラウドコンピューティングやSaaS等の動きが加速化しており、NGNはその時代の流れを支えるネットワークとして期待されることになるかもしれません。
NTTグループは「SaaS over NGN」ビジョンを推進し、SaaSの様々なアプリケーションをNGN上で利用できるサービス基盤の準備を進めています。セールスフォースドットコムは自社のサービスを、2009年中にNGN上で提供することを表明しています。さらには、NTTとマイクロソフトの両社は2008年12月10日に、「SaaS over NGN」で協業推進していくことを発表し、ネットワークとアプリケーションの融合によるサービス創造を目指し、戦略的な協業検討を開始することで合意しています。
2009年は、企業がNGNを経由して様々なサービスを利用することになることが予想されます。また、2009年中にNGNのサービスの中で、オンデマンド型のVPNのサービス提供も予定が検討されており、つなぎたい時に相手先とつなぐといった柔軟なネットワークの使い方が展開されていく可能性もあるようです。
これまでは、NGNの提供エリアも限られており、また、サービスもまだ充実していない部分があり、ユーザの認知度も実際にはあまり高くはない状況でした。今年は、少し変化が見られる年になるのではないでしょうか。