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【2009年】情報通信の展望(2)高速化するモバイルブロードバンド

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今年は、モバイルにおいても高速化が一気に進む年になります。現行は、NTTドコモやソフトバンクモバイル等が採用している3.5世代携帯の HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)が最速で理論値でも最高14.4Mbpsまでしか出すことができません。まだまだ常時接続の価格も高く、多くの人が利用できるまでにはなっていません。今後数年でモバイル・ブロードバンドの高速化は一気に進み、今よりも安い価格で利用できることが期待されます。

KDDI系のUQコミュニケーションズは、2009年2月に東京23区等でモバイルWiMAX(ワイマックス)の試験サービスを開始し、2009年夏には東名阪で商用サービスを開始する予定です。2009年度末には全国の政令指定都市エリアをカバーし、全国の主要都市も、2010年度の末までにはカバーする予定になっています。モバイルWiMAXの伝送速度は下り40Mビット/秒、上り10Mビット/秒を予定しているようです。 

一方、ウィルコムは、次世代PHSのWILLCOM CORE(ウィルコムコア)を2009年の4月に山手線内側で試験サービスを開始し、2009年10月に正式サービスを開始する予定です。次世代PHSの伝送速度は、上り下りで数10Mビット/秒以上を予定しています。

NTTドコモは、次世代携帯規格となる「LTE」(Long Term Evolution)を2010年中に商用化する計画を公表しています。次世代携帯規格は3.9世代やスーパー3Gとも呼ぶことがあります。LTEの伝送速度は、下り100Mビット/秒、上り50Mビット/秒を目標にしています。今後、モバイルブロードバンドの領域において覇権を握るのは、モバイルWiMAXか、次世代PHSのWILLCOM COREか、それともLTEか、今後のモバイルブロードバンドのサービス動向が注目されます。 

ネットブックをはじめ様々なモバイル端末が登場し、進化していくことが予想されますが、いつでもどこでも高速なネットワークにアクセスできるということは、必要不可欠な時代になりそうです。今年のモバイルの高速化は特に注意してウォッチしていく価値はありそうです。

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