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ブログバブルが崩壊し不良債権化する時期が来てしまうのか?

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最近、ブログがきっかけになったネガティブな事件や出来事が増えてきているような気がしています。

 
ロス疑惑の三浦容疑者の逮捕にきっかけがブログであったことや、ネットへの書き込みが名誉毀損で訴えられるケースも出てきています。また、ブログへの不用意な書き込み等が炎上したりするケースも見かけるケースが増えてきています。

 

政府が考えるブログの位置づけは?

昨年126日、総務省は、「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」の最終報告書を公表しました。報告書の中では、コンテンツを「特別な社会的影響力」に応じて3段階に分類にしています。


現在の地上テレビ放送に相当する「特別メディアサービス(仮称)」については現状の規制を維持、現在のCS放送に相当する「一般メディアサービス(仮称)」については現行の放送規制を緩和するとしています。そしてブログ等に関するメディアに関しては、「公然通信」から「オープンメディア(仮称)」という文言に変更し、以下のとおりの位置づけをしています。

「メディアサービス」のコンテンツ以外の公然性を有する情報通信コンテンツ(以下これを「オープンメディアコンテンツ」(仮称)とする。)については、表現の自由の保障を最大限確保することとした上で、表現の自由と公共の福祉を調整する規律として、違法コンテンツの最低限の流通対策を講ずるとともに、有害コンテンツについても規律の可能性について検討すべきである

ブログやSNSに代表される「オープンメディア(仮称)」は、影響力は一番低いものと位置づけていますが、CGMConsumer Generated Media)が増え続ける現象を考えると、今後もさらに様々な形で影響を与えることが予想されます。そして、「オープンメディア(仮称)」の位置づけに関しては、表現の自由や著作権の観点など法律的な位置づけに関して、多くの議論が必要になってくるでしょう。

 

ブログは優良な財産になるのかそれとも不良債権化するのか

各々がブログを書くときには、自分の発言したいことを発信することによって、自分にとってプラスになることを期待している人が多いと思います。書いた時点では、時代のトレンドにあった適切な情報を発信しているかもしれませんが、数年後、そして10年後の経った時は、どうでしょうか? 「そういえば昔はそうだったよね」と流してしまうケースが多いと思いますが、予測が間違っているケース、取り返しのつかない情報を発信していたというケースも出てくる可能性も否定はできないでしょう。


もしかしたら、10年後にはブログの発信規制が強まり、過去のブログの履歴が検索されてしまい、周囲からネガティブな評価をされてしまうことや、会社を解雇されたり、名誉毀損で訴えられることもあるかもしれません。今、ブログはクチコミマーケティングや評判分析のツールとして企業から評価されているケースも出てきていますが、将来もそのトレンドが保障されるわけではありません。

 
クチコミブログ広告市場は2010年に4倍になるのか!?」の中で調査機関がこれからも市場は伸びると予想していますが、私自身はブロガー数がこれからも順調に伸び続け、既存のブロガーがこれからも書き続け、企業がマーケティングに活用し続けることにはやや懐疑的です。

 
以前、バブル景気が崩壊し多くの不良債権を抱えた時代はまだ記憶に新しいでしょう。現在、問題になっているサブプライムローンも景気後退に大きな影響を及ぼしています。

 

現時点では、多くのブロガーは自分の意見を発信することにより、メリットを感じていると思いますが、仮にブログバブルが崩壊してしまった時、今までの追い風から強い向かい風に風向きが変わってしまうこともあるかもしれません。自分の反省も込めてブロガーはブロガーとしての危機管理も意識しつつ、ブログが不良債権ではなく優良な財産として残るように、行動していくことが大切ではないかと感じているところです。

 

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