メモ:NHKスペシャル 放送記念日特集「新動画時代 メディアが変わる」
NHKが3月21日、放送記念日特集にNHKスペシャル「新動画時代 メディアが変わる」を放送しました。YouTube等の動画投稿共有サイトが広がり、情報の発信者と受信者が混在する中で放送事業者としてのあり方を考えていく内容のものでした。
簡単に今回の放送のポイントをまとめてみたいと思います。
動画投稿共有サイトの現状
動画で技を競い合いながら仲間をつくるなど、思い思いの動画を世界に向けて発信する動きが当たり前の時代になってきている。
放送のこれまでの収益モデルやプロダクション経由で放送局から視聴者に放送するモデルであったが、YouTube等の登場により、放送局を介さない放送のモデルができあがった。
テレビは最大公約数をターゲットにするのに対して、動画投稿共有サイトは最小公倍数から広がる傾向がある。また、カラオケのように自分が歌うことができる、つまり自分が情報発信者になることができる。祖母がテレビを見て、孫がインターネットの動画投稿共有サイトを見るという現場を紹介。
これまで多くのスクープが動画共有サイトに投稿されてきた。放送局の取材規制があっても一般市民であれば投稿できる。CNNも動画投稿に着目し、動画専門部署を立ち上げ、メディアとして判断基準をもち、積極的に活用している。
ABCは視聴率が半分に低下する現状に直面し、1時間おきにインターネットでニュース番組を配信。(しかもテレビよりも3時間速く)。そして日々のニュースを分野別に再配信。
CBCでは月に2本、倉庫に眠ったコンテンツをインターネット向けに提供。アクセス数は1ヵ月半で11万件に上る。新しいスポンサーの獲得を目指している。
BBCは“様々な伝送手段を通じて情報を送る責務がある”が、NHKは放送法で業務範囲が指定されており、放送法の改正がないとできない。民間放送や著作権のネットでの二次利用等の権利処理が問題になる。そのためビジネスモデルができにくく出遅れている印象を与えてしまう。
動画のソムリエやジャーナリズムに徹する、そして放送のクオリティなど、放送事業者としての“らしさ”を出す。
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先日、「通信と放送の融合政策2.0の具体論に向けて」というブログを書きましたが、ここ最近は、驚くほどスピードで通信と放送の融合と連携が進んでいます。来年度からは、日本においてもNHKをはじめ様々な放送局が、地上デジタルのIP送信と言われるインターネットを使ったIPTVのサービスを始めてくることが予想されます。その他エリアに特化したエリアワンセグの携帯端末向けの配信も本格化するでしょう。
これからは、いつでもどこでも好きな時間にユビキタスなネットワーク環境の中で自分の好きな放送番組を見ることが当たり前の時代になるかもしれません。NHK等の放送局にとって厳しい環境ながらも新たなビジネスチャンスであるとともに、放送局ならではのジャーナリズムやクオリティがさらに期待をされるところです。