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NHK321日、放送記念日特集にNHKスペシャル「新動画時代 メディアが変わる」を放送しました。YouTube等の動画投稿共有サイトが広がり、情報の発信者と受信者が混在する中で放送事業者としてのあり方を考えていく内容のものでした。

 
簡単に今回の放送のポイントをまとめてみたいと思います。

 

動画投稿共有サイトの現状

動画で技を競い合いながら仲間をつくるなど、思い思いの動画を世界に向けて発信する動きが当たり前の時代になってきている。

また、アメリカの大統領選挙は“YouTube選挙”と言われ、動画投稿の専門チームを設けるなどして、両候補あわせて1,000以上の動画が投稿され、2,600万人が視聴し、直接有権者に訴えることができる貴重な選挙ツールとなっている。

全米家電ショーでは、動画を見るための様々な端末が紹介され、動画を見るために様々な商品を利用し、すべてが混在する動きとなっている。

 

テレビ局のあり方を揺るがす

放送のこれまでの収益モデルやプロダクション経由で放送局から視聴者に放送するモデルであったが、YouTube等の登場により、放送局を介さない放送のモデルができあがった。

GDHはテレビと同時にYouTubeに流し、世界進出による新しいビジネスの収入源を目指している。また、個人レベルでは例えばメイクアップの技術をYouTubeに公開し、スポンサー契約を結ぶことにより収入を得るという事例も紹介。

 

何故動画投稿サイトに熱中するのか?

テレビは最大公約数をターゲットにするのに対して、動画投稿共有サイトは最小公倍数から広がる傾向がある。また、カラオケのように自分が歌うことができる、つまり自分が情報発信者になることができる。祖母がテレビを見て、孫がインターネットの動画投稿共有サイトを見るという現場を紹介。

街の声は、テレビで街の人たちにインタビューをしているよりもインターネットのほうが声を拾いやすい。

AKB48も秋葉原発のネットアイドルでクチコミや動画投稿から広がりを見せ、横のつながりからより立体的なアイドルを作り出した。

テレビはだらだら見る傾向があるのに対して、動画投稿共有サイトは短い時間がゆえに真剣に見る傾向がある。

 

動画投稿共有サイトの新たな課題

これまで多くのスクープが動画共有サイトに投稿されてきた。放送局の取材規制があっても一般市民であれば投稿できる。CNNも動画投稿に着目し、動画専門部署を立ち上げ、メディアとして判断基準をもち、積極的に活用している。

しかし、誰もが自由で投稿できるがゆえに問題サイトも増え続けている。過去の犯罪等が動画投稿共有サイトからの模倣犯も生まれた。動画のおすすめ機能を見て動画に洗脳されてしまい、判断を誤った。

著作権侵害が後を絶たない。1ヶ月に1,000件の削除。深刻な著作権侵害の問題に直面している。そして違法な動画投稿の法的解決は大変な手間とコストがかかる。サーバが海外にあるので、解決は難しい。電子透かし技術で対応するなどがあるが、解決するための決め手がない。

 

テレビ局はどう対応していくべきか

ABCは視聴率が半分に低下する現状に直面し、1時間おきにインターネットでニュース番組を配信。(しかもテレビよりも3時間速く)。そして日々のニュースを分野別に再配信。

NBCエブリウエアーというサービスでは、ガソリンスタンド向けに短い放送を流し、ユーザのターゲティングを実施。また、タクシー向けの動画も紹介。

BBCiプレイヤーは2,000万回の視聴があり、視聴者がどこからでも見られると好評。

 

地方民放局の取り組み

CBCでは月に2本、倉庫に眠ったコンテンツをインターネット向けに提供。アクセス数は1ヵ月半で11万件に上る。新しいスポンサーの獲得を目指している。

NHKNHKアーカイブスの施設を利用して番組配信を本格化する予定でドラマやドキュメンタリー等番組を見逃した視聴者へ配信をする予定。

 

テレビ局のネット配信は進むのか

BBCは“様々な伝送手段を通じて情報を送る責務がある”が、NHKは放送法で業務範囲が指定されており、放送法の改正がないとできない。民間放送や著作権のネットでの二次利用等の権利処理が問題になる。そのためビジネスモデルができにくく出遅れている印象を与えてしまう。

 

これからのテレビは何を求められるのか

動画のソムリエやジャーナリズムに徹する、そして放送のクオリティなど、放送事業者としての“らしさ”を出す。

 

================= 以上メモ終わり =================

 
先日、「通信と放送の融合政策2.0の具体論に向けて」というブログを書きましたが、ここ最近は、驚くほどスピードで通信と放送の融合と連携が進んでいます。来年度からは、日本においてもNHKをはじめ様々な放送局が、地上デジタルのIP送信と言われるインターネットを使ったIPTVのサービスを始めてくることが予想されます。その他エリアに特化したエリアワンセグの携帯端末向けの配信も本格化するでしょう。

 
これからは、いつでもどこでも好きな時間にユビキタスなネットワーク環境の中で自分の好きな放送番組を見ることが当たり前の時代になるかもしれません。NHK等の放送局にとって厳しい環境ながらも新たなビジネスチャンスであるとともに、放送局ならではのジャーナリズムやクオリティがさらに期待をされるところです。

 

MASAYUKI HAYASHI

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林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスの開発企画を担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『「クラウド・ビジネス」入門』

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