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ドコモとGoogleの正式提携で気になるiPhoneとの関係

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ついに、1月24日、NTTドコモとGoogleが携帯サービスで提携することを正式に発表しました 。今回の提携のポイントは、Googleのあらゆるサービスが提携の対象でGoogleサービスのiモード対応を進める点です関連記事)。

 

Googleサービスのiモード対応が進む

今後は、iモードの中でGoogleマップやGmailPicasaそしてYouTube等のGoogleの対象サービスが取り込まれることになります。そして、フルブラウザのスタートページにGoogleを標準設定とし、「Google AdWords」の広告が表示されることにより、100億円レベルの広告収入を早期に達成することを目標にしています。また、Android端末も具体的に検討し、開発を進めていく方針です。

 

ドコモとGoogleにとっての双方のメリット

これらの提携は、ドコモにとっては、トラフィックの増加や広告収入、そしてモバイル・コンテンツビジネスの拡大が見込め、Googleにとっては、モバイルビジネスの本格展開等双方のWin-Winの関係が構築できることができ、そのため長期的な提携も視野にいれているようです。

 

気になるiPhoneとの関係

一方、ドコモは一部報道によるとアップルとiPhoneでの日本においての独占販売についてもソフトバンクと同様に提携交渉をしている模様ですが、Googleとの正式提携によってどのような影響が出てくるのでしょうか? CNETドコモ夏野氏に訊く:「iPhone」「ディズニー」「Google検索精度」をどう思う?」の中では、Googleと提携しながらも検索画面の編集権はドコモ側にあることを強調しています。そしてiPhoneに関しては、興味がないとコメントしています。iPhoneの場合は、iモードのネットワークを介せず、直接インターネット網にアクセスする形態なので、キャリア主導から、メーカ側に主導権を握られるというリスクをはらんでいます。

 
iPhoneから直接「iTune」経由で音楽をダウンロードすることができるようになれば、iモード経由でコンテンツを購入するユーザ層のシェアを奪われ、ドコモのコンテンツビジネスに大きなマイナスの影響を与えることも考えられます。ドコモがiPhoneの販売を考えているとすれば、新たなユーザ層の拡大とともに、他社にiPhoneを奪われるなら、コンテンツにマイナスの影響があったとしても囲い込んでおきたい、そして、ドコモのブランド力を高めたいという思惑も感じられます。

 

今回のドコモのGoogleとの正式提携は、“そろそろ反撃”というモードから、“本格反撃”モードにギアチェンジしてきたように見えます。同時に、今回のキャリア主導とコンテンツや広告重視の戦略は、iPhoneの独占販売の提携交渉にあたって微妙な関係にいるという印象を与えたのも事実ではないかと感じています。

 

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